好きなのに…(続編・その後)<総優> 12.
【家族 編】
<総二郎side>
月日が更に経ち、優一郎が中学3年に成った頃、重鎮達の満場一致に寄り、優一郎が次期家元襲名をする事に成った。
勿論、優一郎の次期家元襲名パーティーが執り行われる事に成り、一応、優一郎もパートナーを伴う事に成った。
その情報を何処から聞いたんだというくらい、パートナーの打診の依頼がわんさかと入って来た。
その事を踏まえて、俺は優一郎に確認する事にした。
「優一郎、優紀から聞いたよな、襲名パーティーのパートナーの件。」
「ああ、俺の相手、まさか、もう決まってるって、言わないよね?」
「はぁ~、如何いう意味だ??」
優一郎は一瞬、俯いていたが、意を決したように、俺の顔を見て言って来やがった。
「俺、蘭が好きなんだよ。」
「はぁ~??」
「ダメかな?」
「相手が大き過ぎるだろ?」
「俺は、蘭じゃなきゃ、出る気無いよ‼」
「はぁ~??」
「お願い‼
司おじさんに頼んでみてよ‼」
俺にも、優一郎の気持ちが分からねぇ訳じゃねぇ…。
しかしなぁ~、司、何て言うだろうか?
取り敢えず、言ってみるか?
俺は正当な形で(普通はアポを取って挨拶何ですが…、其処は、幼馴染って事で。)、司にアポを取って、会いに行った。
で、相談を持ち掛けた。
「よう、総二郎、お前がアポ取って挨拶って、如何いう風の吹き回しだ。」
「否、今日は司の親友としてではなく、優一郎の父親として、挨拶に来たんだ。」
「如何いう事だ?」
総二郎は渋りながらも、司に話した。
「否な、優一郎の次期家元襲名パーティーで、優一郎にパートナー同伴で出てもらおう
と、重鎮から話が出たんだ。
多分、重鎮が何方かのお嬢さんから頼まれて、優一郎に宛がおうとして居るのは目に見
えているんだが…。
重鎮の内で決まっているから覆せないんだよ⤵。」
司は首を捻って聞いて来た。
「総二郎、お前でもか?」
「まあ、そう言う事だ。」
「………」
総二郎は本題に移った。
「そこでだ。
優一郎のパートナーに蘭をお願い出来ないかと思ってな…。」
「………、本気か、総二郎?」
「ああ、頼めねぇか?」
「まだ、ガキだから、噂になる事はねぇだろうが、優一郎と蘭の周りは騒がしくなる
ぞ。」
司に話さなければ、埒が明かない事を悟った総二郎は、優一郎の気持ちを司に伝える事にした。
「優一郎が蘭にマジ惚れしたらしいんだ…。」
「はぁ~??」
「マジ、悪ぃ。
分かってる、司が言いたい事は…?
でも、叶えて遣りてぇんだ。
優一郎の父親として…。」
「取り敢えず、蘭と話してからで良いか?」
「ああ、宜しく頼むわ‼」
そう言って、俺は帰って来た。
後日、優一郎のパートナーに蘭で了承が来た。
かなり、牧野が尽力してくれたと、聞いた。
牧野に感謝だな。
それからの優一郎のパートナーは常に蘭と成った。
それは、優一郎と蘭が結婚しても、ずーっと続いた。
そう、優一郎のパートナーは、生涯、蘭と成ったので有った。