従兄妹物語…<つかつく>・<総優> 5.
司のつくし対する態度を見て居れば、司がつくしに気が有るのは一目瞭然だった。
司の気持ちがF3にバレている事は知らぬは本人 司のみだった。
つくしは、気付いていなかったのは言うまでもないが…。
総二郎は怪訝な顔をしていたのだが…。
つくしは、鈍感なので有る。
人の気持ちには疎い処が有るのであった。
自分自身の気持ちにも疎い処は有るようだが…。
司はこれでは中々、つくしには気付いてもらえそうに無いので有る。
まあ、つくしに掛かれば、こんなものである。
司は押しの一手に切り替え、つくしに迫り始めた。
此れを制止し始めたのは言うまでも無く、総二郎だった。
「司、いい加減にしろよ。
つくしに恐怖心を煽って如何すんだよ。
つくしは、『男性恐怖症』だって、言って於いたよな‼
何で、無茶すんだよ‼」
司は総二郎に懇願する事に決めた。
「総二郎、俺は、つくしに惚れた‼」
総二郎は怪訝な顔付きになった。
「見てれば分かるだろ。
だからって、許される行為と許さねぇ行為が有んだよ。」
「ああ、分かってる。
無茶はしねぇって、誓うから、俺に協力してくれ‼
頼むよ、総二郎‼」
あの、司が総二郎に頭を下げて来た。
可愛い従兄妹を凶暴な男に等、渡したくはない。
しかし、こんな頭を下げている司を見るのは初めての事で、懇願する司を見る事も総二郎だけではなく、F2もまた然りだった。
類が参戦して来た。
「へぇ~、司、本気なんだぁ~⤴。
大変だね、総二郎‼ (笑)」
総二郎は怪訝な態度を露わにしていた。
「他人事だと思って、笑うなよ、類‼」
「だって、他人事じゃん‼」
「はぁ~??」
司は、総二郎と類の会話を聞いていて、『俺じゃあ、そんなダメなのか?』と、自信を失い掛けていた。
それに気付いた気配り上手なあきらが、尽かさず、司に声を掛けて来た。
「司、つくしちゃんが司を怖がったんじゃあ、元もこうもねぇだろ?
少しは、様子を見ながら、距離を取りながら、近付きながら、間合いを詰めていけば良
いだろ?
なっ司‼」
司は、しゅんとしながらも、あきらの問い掛けに答えていた。
「………、ああ、そうだな⤴。
あきら‼」
「ああ、そうだ。
無茶して、つくしちゃんに嫌われたら、元もこうもねぇだろ‼」
「ああ。」
司は、納得するしかなかった。
あきらの言葉が最も過ぎて、言い返せなかったのではあるのだが…。