懺悔の日々…<総優> 6.
優紀の曖昧だった記憶がはっきりして来た事で、優紀は総二郎を拒絶し始めていた。
それに焦り出したのは、総二郎だった。
『優紀の総二郎を不安そうに見る瞳(め)』
『優紀の驚愕した顔』
『総二郎への失望している様な態度』
そのどれもが、総二郎は、優紀の傍に居る事を辛くしていった。
“優紀、俺を拒絶しないでくれ。”と、言えたなら…。
焦る総二郎を制止したのは、他でもないつくしだった。
「西門さん、今は、優紀の傍に居ない方が良い⤵。
取り敢えず、私は、今は夏期休暇中だし、私が傍に着いて居る。
何か有れば司に連絡するから…⤴。」
総二郎は何も答えられないで居た。
「………」
つくしは尚も、総二郎に語り掛けた。
「今、焦っても、何も良い事は無い。
反対に優紀の拒絶反応は頑なに成る一方…。
で、有るなら、今は、冷却期間も必要じゃない?」
司も同感とばかりに、つくしの言葉に重ねた。
「総二郎、つくしの意見も一理有るぞ。
今は焦るな‼
松岡は、曖昧だった記憶が回復して、混乱しているんだ。
其処を突いても良い事じゃねぇだろ‼
もう少し、様子を見ようぜ‼
なっ、総二郎‼」
流石、司とつくしの経験者としての言葉には重みが有るのだが…。
優紀に拒絶される意味が分からない総二郎だったが、つくしから言われ、高校生だった頃を思い出していた。
「西門さん、優紀に拒絶される意味が分からないみたいだから、言って於くね‼
じゃないと、西門さんも前に進めないでしょ?
ヒントを伝えるから、後は西門さんが思い出して…⤴。
【高校生の頃の西門さんは優紀に何て言った?】
【高校生の頃、優紀を拒絶し始めたのは誰?】」
“そう言う事か…?”
総二郎は思い出していた。
あの当時、高校生だった頃、優紀にのめり込んでいく自分自身の気持ちに蓋をする為に言った言葉や態度が今、俺を苦しめるとは…。
思いもしていなかった総二郎だった。
その頃、司は、総二郎を一人で支える事に不安を感じ、あきらにTELしていた。
「あきらか?」
「どした、こんな朝っぱらから??」
「すまん‼
松岡の意識が回復したのは良かったんだが、松岡の意識がはっきりすると同時に総二郎
を拒絶し始めて、総二郎が荒れ出したんだわ⤵。
俺一人では総二郎を支え切れない。
あきら、こっちに来てくれねぇか?
東京に連れて帰ろうとするんだけど、総二郎が動かねぇんだわ⤵。」
あきらは、“まあ、司一人じゃあ、当然無理だろうな‼”と、苦笑するしかなかった。
それに、総二郎が心配でも有ったのだ。
あきらは、“当然、行くだろ…⤴。”と、心の中で思っていた。
「了解‼
類は寝てるだろうけど…、類も誘って行くわ‼」
「頼んだ‼」
それから、何時間後かには、病院にF4が揃ったので有った。