懺悔の日々…<総優> 11.
そんな時、西門邸にて、お茶会が開催される事に成り、聡子も出席する為に、東京に里帰りして帰って来ていた。
勿論、優紀にも出席する様、伝えて来た。
「叔母さん、今、茶道してないし、無様な処を人様にお見せすれば、叔母さんに迷惑掛け
る事に成るから、止めとくわ。」
聡子はそう言って来る事は想定済み。
先ずは、優紀を落とす事から考えていた。
「たかが、数ヶ月でしょ?
直ぐ、思い出すわよ‼」
西門邸でお茶会が開催される事が決まった時、実は、家元夫人から聡子に連絡が有ったのだ。
「池ヶ谷先生、ご相談有りましたの?」
“如何いった相談でしょうか?”
「優紀さんは、京都を離れてから、お茶は為さっていらっしゃるの?」
“していないようですが…。”
「勿体無いわ。
じゃあ、私(わたくし)に任せて下さらない?」
聡子は、“何故??” 状態だった。
“………??”
「私(わたくし)、優紀さんを一目で気に入りましたの⤴。
是非に、総二郎のお嫁さんに欲しいんですの⤴。
その為でしたら、どんな協力も惜しみませんわ⤴。」
“………はぁ~⤴。”
「次回のお茶会に優紀さんをお連れして頂けないかしら⤴。」
で、無理矢理、聡子に連れ来られた優紀だった。
やはりと言うべきか、態と言うべきか、優紀は総二郎と会う事に成ってしまった。
「優紀‼
来てくれたんだ。
来てくれて、嬉しいよ‼」
「………」
総二郎は優紀に敢えて、声を掛けて来ていたのだ。
周りにも分かるように、態と、名前を呼び捨てで…。
「優紀、茶会が終了したら、少しで良いから話せねぇか?」
「………」
優紀は態と答えなかった。
総二郎は絶好のチャンスを逃さまいと、必死だった。
まるで、総二郎と優紀は恋人同士で喧嘩していて、総二郎が優紀に許しを請うている設定で、総二郎は優紀に話し掛けていた。
優紀に話し掛けている感を出している総二郎に、優紀は敢えて、答えなかったのである。
『何なの本当に…?
それで謝っているつもりなの?』
優紀は総二郎の態度が信じられないでいた。
総二郎は、敢えて、周りの重鎮達に、『俺には、優紀が居る。』と、指し示したいだけだった。
『ぜってぇ、優紀は逃がさない。』と、考えての事だったのだ。
だが、今の優紀には、その思いは届いて居ないのだ。
そうなのだ。
高校生の頃から総二郎と優紀は完全に気持ちがすれ違ってしまったままなのだ。
唯、高校生の頃と違うのは、思っている方が総二郎と優紀が入れ替わっているだけだったのだ。
敢えて、言うなら、平行線のまま、交わる事は無い今の状態なのだった。