バラバラの果てに…<ALL CP> 16.
パーティー後の集まりのお開き後、あきらが桜子をあきらの部屋に招き入れた時、話しも終わり、桜子が部屋に帰ろうと、席を立った。
その時、あきらが桜子に声を掛けていた。
「桜子、明日の朝、朝食は如何するんだ?」
「先輩は道明寺さんに拉致られているので、そのまま、道明寺さんの部屋だと思います
し、先輩は私とはご一緒は無理でしょうから、適当に考えてました。」
「じゃあ、明日の朝、俺と待ち合わせして、一緒に朝食を摂らねぇか?」
「えっ??
私とご一緒で宜しかったのですか?」
「何故だ?
桜子に言ってるのに、桜子と一緒が良いに決まってるだろ‼」
「はい、分かりました。」
「明日の朝、迎えに行くから、待っててくれ‼」
「はい、宜しくお願いします。」
こうして、あきらと桜子は、朝食を共に摂っていた。
あきらは、朝食を摂りながら、桜子に尋ねていた。
「桜子、ドイツには何時まで居るつもりだ?」
「まだ、決めていません。
留学の期限を過ぎても、英徳に戻らず、そのままドイツの大学に残ってドイツの大学
を卒業しているんです。
それでも、今も尚、ドイツに居るので、何時、日本に帰国しても良いんですが、先輩も
優紀さんも居ない中、帰国しても寂しいだけなので、ドイツに居ただけなんです。」
あきらは、尚も聞いて来た。
「もし、俺が日本にもう直ぐ帰国するって言えば、桜子は日本に帰国する気は有るか?」
桜子は、戸惑っていた。
何と言えば、良いのだろうかと…。
「それって、如何いう意味でしょうか?」
「そのままに取ってくれて構わねぇよ。」
実は、あきらは、あの日、桜子が部屋に帰って行った後、あきらの部屋に残った桜子の残像を求めている自分に気付き、『俺は桜子に惚れてしまっていたんだ。』と、気付いてしまっていたのだった。
それに、あの時、桜子に声を掛けたのは、あきら自身、無意識の行動では有ったのだが…。
もしかしたら、“桜子を部屋に帰したくなかったのかも知れねぇ‼”と、今に成って見れば、気付ける行動だった。
あきらは尚も桜子に語り掛けた。
「俺は桜子に惚れてしまったみてぇだ‼
桜子、俺との事を少しで良いんだ、考えてみてはくれねぇか?
その上で、俺が日本に帰国する時に、桜子も帰国して来て欲しいんだ‼
ダメか‼」
桜子は悩んでいた。
あきらが嫌な訳ない。
でも、このまま、甘えても良いのだろうか?
「少し、考えさせて下さい。」
「分かった、考えてくれ‼
でも、桜子とは、今後も離れてる分、連絡は今まで通り、取り合いてぇ‼
それは良いか?」
「はい、お待ちしています。」
桜子は、あきらからの連絡は楽しみにしていた。
だからこそ、桜子自身も連絡は取り合いたいと思っていたのだった。
桜子は、先ずは、ドイツでの生活を清算しなくてはと、考えていた。
まさか、あきらから、告白されるとは思っていなかったので…。
あきらはあきらで、そろそろ、日本に帰国する打診を父親で有る社長にしようと考えていた。
今まで、日本に帰国する事無く、イギリス支社で地盤を開拓して来たんだ。
4年経ったんだ。
そろそろ、帰国する時期だろうと、あきらは考えていた。
“父親で有る社長の考えは分からねぇが…?”と、あきらは思っていた。
漸く、あきらが日本に帰国出来る日取りが決まった。
あきらは、桜子に連絡を入れていた。
「桜子、やっと、日本に帰れる日が決まった‼
2ケ月後だ。
桜子は如何だ?
帰国の準備は出来てるか?」
桜子は悩んでいた。
上手く行けば帰れるだろうけど、如何すれば良いだろうか?
「私は、遅れて帰国する事に成ると思います。」
あきらは、驚愕していた。
「如何してだ?
言って有ったよな?
“準備して於け‼”って…?」
桜子は良い訳の言葉が見付からないで居た。
「はい、そのつもりで居たのですが…。」
「ドイツまで迎いに行く‼
準備して待ってろ‼」
桜子は、“ヤバい‼”と思っていた。
取り敢えず、“美作さんが迎えに来てくれる事を阻止しなくては…。”と、桜子は思っていたのだった。