好きなのに…(続編・その後)<総優> 20.
【家族 編】
<優紀side>
光紀は高校3年の年末に成ろうとしていたある日、私に相談して来た。
「お母さん、良い?」
「良いわよ⤴。
何か、有ったの?」
光紀は言いにくそうだった。
「うん、あのね、今日、翼から聞いたの⤵。
高校を卒業したら、道明寺のおじ様の時みたいに、NYで大学に行きながら、家業の勉
強をする事に成ったと…⤵。」
私は驚きもしなかった。
道明寺さんの時もそうだったし、そう成るのだろうと思っていた処も有るし、つくしもそう言っていたから…。
それが如何して、光紀は浮かない顔をしているのだろうと、不思議に思っていた。
『まさか、光紀…?』と、思った時には、その事の方が驚愕していた私が居た。
「翼君は光紀にだけに言って来たの?」
「ううん、皆の目の前で…⤵。
後で、蘭に聞いたらね、道明寺のおじ様も高校を卒業して直ぐ、4年間、NYに渡米した
んだって…⤵。
つくしおば様は、4年、道明寺のおじ様を待って居たんだって…⤴。
4年だよ、凄いよね‼
私は4年も待ってられるかな?」
“ちょっと、待って…。
光紀、如何言う事??”
状態の私だった。
「光紀、翼君と付き合ってるの?」
「ううん、付き合ってないよ。
でも、翼から、私を“好きだ‼”って、告白されたの⤴。
でも、告白してくれた時は、まだ、私自身の気持ちに気付いて居なかったんだけ
ど…、“4年、NYに行く。”と、聞かされて、私自身の気持ちに気付いちゃったの?
お母さん、如何したら良い?」
“如何したら良い?”と、言われた母親としての私は答えられずに居た。
当事者に成るつくしにも相談出来ない…⤵。
私は意を決して、桜子さんを呼び出し、桜子さんに相談した。
桜子さんには、光紀の思いを話して聞かせた。
「優紀さん、大変ですね。
兄妹で同じ婚家に成るって事でしょ?
光紀ちゃんの事もそうですけど、其処も考えなくては…って、事ですよね⤵。」
ほんとだ、そう成るんだ⤵。
悩みが増えてるじゃない⤵。
「やっぱり、こういう事は、先輩と相談してからの方が良いですよ‼
光紀ちゃんに想いを留まらせる事が出来るなら別ですけど…。
無理なら、両家で相談した方が、拗れないと思いますし…⤴。」
「そうだよね…⤵。」
「それに、光紀ちゃんは、まだ、幸せでしょ⤴。
先輩何て、今では信じられないくらい、あの当時は、道明寺さんのお母様から仕打ちさ
れていて、私達誰もが道明寺さんと先輩の4年間を心配したんですから…⤵。」
「そうだったよね。」
「それが、道明寺さんのお母様も厳禁ですよね⤵。
先輩が優秀だったと分かると、手のひらを返した様に、4年、経って無くても認め出す
んですもの⤵。
驚きましたよ‼」
それは、私も驚愕していた事を思い出した。
「まあ、もう、道明寺さんの代に成っているので、道明寺さんのお母様がしゃしゃり出て
来るとは思わないですが、先輩も道明寺さんのお母様に相談くらいは掛けるでしょう
し…。
優紀さんの悩みが尽きないとは思いますが、優紀さんも西門さんのお母様にご相談した
ら如何ですか?」
「やっぱり、それが一番、収まる所に収まる、秘策かも知れないね⤴。
有難う、桜子さん‼」
こうして、私は、覚悟を決めて、お義母様に相談する事に決めた。
そして、兄妹揃っての同じ婚家って事にも成ると言う事で、両家で話し合う事に決めた。
勿論、祖父・祖母に当たる、両家のお義父様・お義母様も立ち合いの下となった。
その結果、兄妹揃っての同じ婚家でも良いと言う事・光紀も高校卒業後はNYの大学に入り、道明寺HDの経営の勉強をするという事に成った。
光紀が翼君とNYに渡米後、私は、光紀に務まるか、些か不安では有ったが、つくしに聞けば、“お義母様の指導の下、あの年で、上手く遣っているみたいよ⤴。”と、言われてしまった。
翼君は、道明寺さんのお父様の指導を受けているようで、翼君と光紀は中々、二人で会えないようだったが、恋人としてお付き合いはしているようだった。
こうして、翼君と光紀は、結婚を両家から許され、目出度く、結婚する事が出来た。
つくしとは、お互いの子供の子供、所謂、“孫は共有だね⤴。”って、笑い合っていた。
まさか、こんな日が来るとは思わなかった。
人の人生って、分からないもの何だね⤴。
私の高校生の頃の『暗闇時代』は、やっと、成りを潜める事が出来たように感じている。
これからの私の人生は幸せしか無いのだから…。
fin