記憶を失って…<つかつく> 9.
司と耕平は、ラウンジのVIPルームに居た。
「道明寺さん、如何いうつもりですか?」
「あんたと話さなくてはいけない事が有んだよ‼」
「本性を出して来たんですね。」
「はぁ~、何でも良いだよ⤴。
つくしは俺の女だ‼
つくしに手出しするな‼」
「それは高校生の頃の話ですよね?」
「はぁ~ん、知ってんだな、俺とつくしの事…?」
「ええ、一応は…。
あなたには、過去に婚約者が居た事も。」
「親が決めた奴で、俺は受け入れてねぇよ‼
それに、受け入れてもらえてない事に諦めて、ホイホイと退散したよ、あっちがな‼
まあ、どの道、お前はつくしに受け入れてもらえてねぇようだがな⤴。」
「………」
耕平は、この状況化なら、何も言えなかった。
「もし、俺より、迎えに来たあんたをつくしが選んでいたなら、今頃、あんたと一緒に、
メープルから退散してただろ‼
それが俺の部屋に居るって事はそう言う意味じゃねぇの⤴。」
「………」
痛い所を突かれた耕平は何も言えずに居た。
寧ろ、居心地が悪かった。
「それに、今後は、親が決めた者同士って事に成る。
会社も提携する。
もう、お前が舎舎利出て来る事は出来ねぇんだよ‼
覚えてやがれ‼」
耕平は打ち所が分からず、取り敢えず、今日の所は退散する事に決めた。
司は、司専用の部屋に向かった。
「つくしさん、済みません。
お待たせしましたか?」
「いいえ、済みません。
お手数をお掛けしたんじゃないでしょうか?」
「否、大丈夫ですよ⤴。
彼は、もう帰りましたよ⤴。」
つくしはあからさまに、“ほっ”としていた。
「それは、良かったです。」
司は、つくしのその仕草に、つくしを抱き締めたい衝動に駆られるのを抑えるのに必死だった。
つくしは、耕平の事を嫌いではなかったが、あからさまにべたべたして来る態度に、“付き合っても居ないのに…⤵。”と、不快に感じていたつくしだった。
しかし、司とは今日、初めて会っただけだけど(『古菱つくし』としては初めてと成る。)、自然な態度に好感を持てていたつくしで有った。
司は話しの仕方もストレートなので、話ししやすいとも思っていたつくしで有った。
まだ、お付き合いをするかどうかは分からないが、お友達からなら、良いかもしれないと、思うつくしだった。
「道明寺さん、先ずは、お友達からでも良いですか?
私は、何も道明寺さんの事は知りません。
今日、初めてお会いしました。
それで、宜しかったでしょうか?」
司は、複雑な心境だった。
司は、“初めてじゃねぇんだよ。”と、言えたらどんなに良いかと、思わずには入れなかった。
しかし、“此処で不貞腐れても良い結果にはならねぇなら、つくしの言う通りにしよう”と、思う司だった。
「そうですね。
では、友達から…⤵。」