従兄妹物語…<つかつく>・<総優> 21.
椿が帰国して来たもう一つの理由…。
それは、親友の瑞紀と友人の祥一朗に会う為でも有った。
祥一朗と瑞紀が結婚するという連絡が、椿に入って来たからで有る。
祥一朗と瑞紀の二人とは、英徳学園 幼稚舎から英徳高校までの11年間、同級生で有ったので、椿にとっては感慨深いものが有った。
かなり、嬉しいのだ。
祥一朗と瑞紀の想いが貫かれた結果だと、それまでの祥一朗と瑞紀の二人の歴史が走馬灯のように、思い出されいた椿で有った。
「祥一朗、瑞紀、おめでとう!
瑞紀、良かったわね⤴。」
椿は瑞紀を抱き締め乍ら、涙を流して言っていた。
「椿、有難う‼」
「祥一朗と瑞紀の想いの結果よ。」
そして、椿は祥一朗と瑞紀の結婚式にも出席した。
その際、祥一朗と総二郎の従兄妹がつくしで有る事を知った。
また、瑞紀には妹が居る事は知っていたが、その妹が祥一朗の弟である総二郎の彼女で、次期家元夫人に成るとは、想像もしていなかった。
また、瑞紀の妹が、つくしの親友だとは…、重ね重ね、想像もしていなかった。
何か複雑そうで、吃驚していたが、周りは至って普通なのが、また、吃驚で有った。
“そんなものなのか⤴。”と、思わずにはいられなかった。
其処で、椿は瑞紀の妹 優紀をつくしから紹介された。
「椿お姉様、此方が、私の親友で、総兄の彼女で、祥兄の奥さんの瑞紀お姉様の妹の
『優紀』です。」
「司の姉で、つくしちゃんの義姉でも有る『椿』よ。
宜しくね‼」
「此方こそ、宜しくお願いします。
『優紀』と、申します。」
椿と優紀の二人は握手を交わして、友好を深めた。
椿と優紀の二人の挨拶は至ってシンプルでは有ったが、顔合わせは終了した。
今後も直接、関わり合いを持つとも思えないので、挨拶はこんなものだろうと、つくしは思っていた。
椿と優紀の二人は、今後もつくしと瑞紀を通して、顔見知り程度に成るだろうとも、つくしは見ていた。
一方、総二郎と巧三とつくしと進は、母方の兄である伯父の息子の陽一と恭二と、久し振りに会った。
従兄妹弟がこれだけ、集結するのは、久し振りの事で有った。
「「よう、総二郎、つくし、巧三、進。
久し振りだな‼」」
4人は、息を合わせる様に、言って居た。
「「「「陽兄、恭兄、久し振り‼」」」」
恭二が、感慨深げに言った。
「お前等も大人に成って来たな⤴。」
つくしは手を腰に置いて、仁王立ちするように答えた。
「当然でしょ‼
幾つだと思ってんのよぅ~⤴。」
転げて笑う勢いの恭二で有った。
「相変わらずなつくしが嬉しいよ(笑)‼」
「はぁ~??
相変わらずはどっちよ、恭兄?」
一番、年長の陽一が諫める様に、二人を止めに入った。
「もう、止めとけよ‼
一族の恥だぞ‼」
つくしは、神妙な感じで、俯き加減で謝っていたが、いつも通り、恭二は素知らぬ振りで有った。
「ごめんなさい、陽兄⤵。」