取り戻したい…<総優> 2.
【プロローグ】
<総二郎side・語り>
優紀ちゃんとは、高校生のあの日以来、本当に会ってねぇ。
あの日………、そう、あの日以来。
俺は、優紀ちゃんと、一度、男女の関係に成った。
優紀ちゃんが俺に好意を寄せてくれて居る事は分かっていたが、優紀ちゃんにのめり込みそうで怖くなり、言ってしまった一言に寄り、あの日以来、本当に一度も会う事は無かった。
「俺は、優紀ちゃんを仲間としてしか見れねぇ‼」
何故、言ってしまったのか…⤵。
未だに俺自身も分かっていねぇ。
優紀ちゃんが入学した大学は、地方の女子大だと、後から聞いた。
あれ以来、全く、音沙汰無しだ。
如何しているかさえ、分からねぇ…⤵。
優紀ちゃんの事が分かったのは、司と牧野の結婚式が有る3ケ月前の事。
俺は関西の茶会の仕事の為、大阪メープルに居た。
其処に、何やら騒がしい光景が瞳(め)入った。
其処で目を疑ったのが、綺麗に成った優紀ちゃんの姿…⤴。
スレンダーで、ミニスカートから覗く足が俺好みの細くきれいなスラっとした足だった。
顔付きも高校生の頃の幼さは何処にもなく、大人っぽい色気を含んだ顔立ちに成っていた。
声を掛けようとしたが、SPらしい男に阻まれた。
話しを聞いて居ると、何やら、優紀ちゃんは地方ローカルのタレントに成っていたらしく、今日は、取材の為、関西に来ていたらしい。
もう直ぐしたら、東京に進出して、全国的に売り出そうとしていたらしい。
まさか、こんな人気者に成っているとは…。
Fanもしっかり就いて居る様だった。
もう、手の届かない所に行ってしまった様で、寂しさが押し寄せて来た。
じゃあ、何故、あの日、優紀ちゃんを突き放す事をしてしまったんだ⤵。
後悔だけが、俺を突き上げて来た。
そう、思っていたが…⤵。
俺に天使が微笑んだ⤴。