取り戻したい…<総優> 3.
<総二郎side>
今日は、司と牧野の結婚式。
優紀ちゃんは来られるかどうか分からねぇらしい事は、事前の調査で分かっていた。
でも、俺の勘では、“ぜってぇ、来る⤴。”と、確信めいたものが有った。
根拠はねぇが…⤵。
もし、優紀ちゃんが来るなら、今度こそ離さねぇ。
優紀ちゃんの気持ちを心を、俺に取り戻してみせる。
そう、俺は心に誓っていた。
そして、皆で、部屋に集合している時だった。
事務所のマネージャーという男と一緒に優紀ちゃんは現れた。
一言二言、話しした後、マネージャーは帰って行った。
そんな時だった。
滋が行き成り、優紀ちゃんに抱き着き出した。
「優紀、やっと、会えたぁ~⤴。
寂しかったんだからねぇ~⤴。」
「ごめんなさい、滋さん‼
何とか、スケジュール、空けてもらえてぇ~⤴。
凄いですよね⤴。
親友が結婚するのが、道明寺HDの副社長と分かっただけで、スケジュール、空けてく
れたの⤴(爆笑)。」
滋も爆笑しながら、言っていた。
「流石、道明寺HDだよねぇ~⤴(爆笑)。」
桜子が話題を変えてきた。
「優紀さん、何時から東京ですか?」
「実は、もう、東京なの。
撮影が始まってるの。
映画、クランクインしたばかりだから…。」
滋が興味津々で聞いていた。
「ねぇ~、優紀。
ラブシーンは有るの?」
桜子も参戦していた。
俺にとっては聞きたくねぇ話しだった。
「まさか、優紀さん、濡れ場じゃないですよね?」
優紀ちゃんは、沈んだ顔で言っていた。
俺は、優紀ちゃんの顔を見ていて、一瞬、焦っていた。
「もう、清純派では売れる歳でもないから、これからは有るって、言われてるの⤵。
今はまだ、メーンは張れないから、其処までの要求は無いかな。」
取り敢えずは、ほっとしている俺が居る。
「そう何ですね。
何か、仕事でも嫌ですよね?」
滋は能天気な一言を言っていた。
「俳優に寄るんじゃないの?
ねぇ~、優紀⤴。」
「私は、どんな俳優さんでも嫌かな⤵。
この前、バックヤードから、撮影している先輩のベッドシーンを見たんだけど…⤵。
“あれ遣るの?”って、思ったら、因果な商売だなって、思ったもんね⤵。」
其れからも、T3は、芸能界について、何やかんやと、話ししていた。
俺は何も発する事が出来なかった。
優紀ちゃんには、そんな事して欲しくねぇし、させたくねぇ⤵。
T3は、“牧野に挨拶して来る。”と、言って、部屋を出た。
T3が出た後、あきらは見透かしたかの様に声を掛けて来た。
「総二郎、一言も話さず、お前、優紀ちゃんばかり見て…。
やっぱり、気に成るか?」
「あぁ~??」
「お前、今頃、後悔してんじゃねぇの?
手放すんじゃなかったって⤵。」
「………」
“あきらには嘘は付けねぇな⤵。”と、俺はそう思っていた。
「桜子が言うには、今、スタッフからも凄い人気らしいぜ。
あの笑顔に癒し系?
色っぽい顔立ちなのに、笑ったら可愛いとか、ギャップが良いらしいな(爆笑)。
早くしねぇと、取られちまうかもな?」
あきら…?
ちげぇ~よな⤵。
「あきら、お前、まさか…だよな?」
「はぁ~??
総二郎、誤解すんなよ?
俺は桜子好みだ‼」
「まあ、奇特な奴だな⤵。」
「はぁ~??
人には好みってもんが色々有んだよ‼」
まあ、あきらの趣味だから、俺は何も言わねぇが…⤵。
「なぁ~、あきら‼
俺、確実に優紀ちゃんに惚れたわ⤴。」
「あんまり、自分の事を言わねぇ総二郎が言うんだから、遣るしかねぇだろ⤴。」
「あぁ~、そうだよな⤴。」
そんな時、類と静がギリギリで披露宴に間に合い部屋に入って来た。
あきらには、優紀ちゃんの話しは、伏せてもらった。