Close to you~お前の傍に~…<つかつく> 71.
<此の二次小説『Close to you~お前の傍に~…<つかつく> 71.』の一部の文面の中
に、現代では有り得ない様な言葉 や 文面が記載されて折ります(*)。
また、不快に思われるやも知れない言葉が入って折ります。
了承の程、宜しくお願い致します。>
漸くと言っても良い位の日にちが過ぎて行く中…。
やっと、司は、つくしに話しを切り出したのだった。
「今日は、つくしに話しが有んだけど…よ。
聞いてくれるか?」と…。
だが、此の時のつくしは、実は、首を傾げ乍らも、密かに、思うのだった。
“司さんは、何故、今日に限って、畏まって、私に訊いて来るのかなぁ~⁉
何時(いつ)もの司さんは、畏まらずに、私に色々な事を訊いて来るし、私に話しして居
ると思うんだけど…なぁ~。”と…。
だが、実は、此の時の司は、つくしに話しを切り出したのは良いが、“つくしに、何と言って、話しを切り出そうか?”と、自分自身の頭の中では、其の事だけに、一杯に成って居たのだった。
だからだったのだろう。
此の時のつくしの『心の声』という名の独り言は、司の耳には届いて居なかったのだった。
或る意味、此の時のつくしにとっては、助かったと云っても、過言じゃ無かったのだ。
其処で、つくしは、首を傾げ乍らも、密かに、自身の『心の声』という名の独り言を呟いた後、司には、そんな呟きが分からない様に、畏まった様な言い方で誤魔化し乍らも、司に訊くのだった。
「お話しはお窺いしますが、一体、何のお話しですか?」と…。
だからだったのだろう。
司は、つくしの顔を、じーっと、見詰め乍らも、話しし始めるのだった。
「ああ、俺とドライブに行って視ねぇか?
海でも良いし…よ。
山でも良いな。
もし、つくしが花を観に行きてぇなら、花畑でも良いぞ。」と…。
其処で、此の時のつくしは、司からそんな話しを聞いた事で、驚愕するのだった。
だからだったのかも知れない。
此の時のつくしは、何とも言えない様な顔付きに成って居たのだった。
云わば…。
『鳩が豆鉄砲を食った様』な顔付きに成って居たのだった。
何故なら…。
此れ迄のつくしの中では、『ドライブ』という言葉は、無縁だと思って来たのだ。
と言うのも、つくし自身、『車』という乗り物に乗車する事が出来無いのだ。
云わば…。
つくしにとっての『車』という乗り物は、『トラウマ』でしか無いのだ。
だというのに、経った今、司は、『ドライブ』という言葉を、自身に言って来たのだ。
しかも、司は、つくしに、「俺とドライブに行って視ねぇか?」と、訊いて来たのだ。
だからだったのだ。
此の時のつくしは、『鳩が豆鉄砲を食った様』な顔付きに成って居たとしても、何ら不思議では無かったのだ。
そして、此の時のつくしは、そんな司に対して、更に、密かに、思うのだった。
“司さんは、私自身、『車』という乗り物が苦手な事を知らないのかも知れない。”と、疑いの眼差しと共に…。
だからだったのだろう。
此の時の司は、そんなつくしの疑いの眼差しの様な目付きを観た事で、慌てるかの如く、言って除けるのだった。
「ああ、そうだよな。
つくしは、『車』という乗り物が苦手だったんだよな。
でも…な。
そう何時(いつ)迄も、其のままっつー訳にはいかねぇよな。
其れに、大河原邸にしても、道明寺邸に引っ越す事に成ったとしても、何時(いつ)迄
も、邸の中っつー訳にはいかねぇよな。
だから…よ。
少しずつでも良いから、俺と一緒に、『トラウマ』を克服して行かねぇか?」と…。
だからだったのかも知れない。
此の時のつくしは、司に、如何、返答すれば良いのか?
迷って居たのだ。
何故なら…。
あの事故の後、病院で目覚めた時のつくしの頭の中には、一切、自分自身の記憶は無く、自分自身が誰で在るのかさえ、全く、分からなかったのだ。
唯、事故の後のつくしが病院を退院する時に、自身には、『トラウマ』が在る事を知ったのだ。
事故の後のつくしにとって、其の衝撃や、如何なモノだったのだろう。
其れ以来、つくしは、『車』という乗り物が苦手に成ってしまったのだった。
だからだったのだ。
此の時のつくしは、例え、司から、「少しずつでも良いから、俺と一緒に、『トラウマ』を克服して行かねぇか?」と、訊かれても、返答のし様が無かったのだ。
云わば…。
其の後のつくし自身、『車』という乗り物に乗車した覚えが無いのだ。
そんなつくしが、苦手と認識して居る乗り物に乗車したい等と考える訳が無いのだ。
だが、此の時の司は、つくしの『トラウマ』を、二人で一緒に、克服して行きたかったのだ。
だからだったのだ。
決して、司自身、用意して居た言葉では無かったのだが…。
口から飛び出してくるかの様に、言葉を紡いで居たのだった。
「『Close to you.』
俺は、ずーっと、『お前の傍に』居てぇんだよ。
だからこそ…。
俺と一緒に、つくしの『トラウマ』を克服して行こうぜ!」と…。
だが、つくしには、気に成る事が有ったのだ。
其れは、【運転手が誰で、自分自身は、どんな『車』という乗り物に乗車するのか?】と、言う事…だったのだ。
云わば…。
此の時のつくしは、其の事が知りたかったのだ。
だからだったのかも知れない。
此の時のつくしは、司に訊き始めるのだった。
「あのぉ~。
車の運転は、何方が為さって下さるんですか?
そして、私は、どんな車に乗車するんですか?」と…。
だからだったのだ。
詳しく話しして居なかった事を反省し始めた司は、笑い乍ら、つくしに言って除けるのだった。
「ああ、そうだよな。
悪ぃ、悪ぃ(笑)。
実は、俺の愛車に乗って、俺が運転するんだよ。
其の方が、つくしは安心だろ?
だから…よ。
大船に乗ったつもりで居ろよ‼」と…。
だが、現在のつくしの中での記憶は、司が運転出来る等と、全く、知らなかったのだ。
だからだったのかも知れない。
此の時のつくしは、『心の声』という名の独り言を呟いて居たのだった。
“へぇ~、司さんは、車の運転が出来るんだね。
お姉様も、優紀も、桜子も、一切、教えてくれなかったし…。
全く、知らなかったよ。”と…。
だが、今度は、そんなつくしの『心の声』という名の独り言自体、しっかり、司に聞かれて居たのだった。
だからこそ…。
此の時の司は、そんなつくしに言えた言葉…だったのだ。
「ああ、俺は、10代の頃から運転が出来んだよ‼
良~く、覚えとけ‼」と…。
実は、此の時の司自身、何気に、つくしに言ってしまったのだ。
【「ああ、俺は、10代の頃から運転出来んだよ‼」と…。】
だからだったのかも知れない。
此の時の司は、そう言ってしまった後、自身の心の中では、“あっ‼”と、思えて居たのだった。
何故なら…。
司は、つくしが記憶を取り戻す事を恐れて居る滋と約束して居たから…だったのだ。
そうなのだ。
実は、英徳高校時代の司 と つくしは、司の18歳の『Birthday party』の際に、司自身が運転するスポーツカーで『Party』会場を抜け出した経緯が有ったのだ。
しかも、其の当時の司は、無免許運転(*)で在り、其のスポーツカーの助手席にはつくしが座って居たのだ。
だからだったのだ。
此の時の司は、“もし、つくしの記憶が戻ってしまったら、如何すんだよ。”と、不用意な言葉を発した自分自身の事を反省し、また、考えもせず、口走ってしまった事を後悔して居たのだった。
だが、つくし自身、元々、『鈍感少女』なのだ。
其の『鈍感少女』が功を奏したのか?
其の後のつくしの記憶は、何ら、変わった様子が無かったのだった。
何故なら…。
此の時のつくしは、そんな司からの言葉をスルーするかの様に、言って除けて居たから…だったのだ。
「はい、覚えて置きます。
でも、大丈夫でしょうか?」と…。
だからだったのだ。
此の時の司は、そんなあっけらかんとしたつくしからの返答の言葉にホッとし乍らも、司は、そんなつくしに返答するのだった。
「ああ、俺に任せて置けば良い。
無茶な事はしねぇし、悪い様にはしねぇから…。
其れに、外の景色を見れば、きっと、癒されるぞ!
だから…よ。
一緒に行こうぜ‼」と…。
其処で、つくしは、何故か?
“司さんなら、大丈夫かも…。”と、思って居る自分自身が居る事に気が付いたのだった。
だからだったのだ。
自然と、司に頷いて居るつくしが居たのだった。