タマの想い~お彼岸 と 初盆~【会いたい】…<つかつく> 番外編
<2022年の秋のお彼岸【9月20日~9月26日】>
2022.9.20…彼岸入り
2022.9.23…中日(秋分の日)
2022.9.26…彼岸明け
<此の二次小説『タマの想い~お彼岸 と 初盆~【会いたい】…<つかつく> 番外
編』の一部の文面の中に、不快に思われるやも知れない言葉が入って折ります。
了承の程、宜しくお願い致します。>
【『目覚まし時計【会いたい】…<つかつく> 番外編』 と 『春のお彼岸【会いた
い】…<つかつく> 番外編』 と 『タマの想い【会いたい】…<つかつく> 番
外編』のエピローグ】
実は、タマは、あの世に居る自身の夫に頼んで居た事が有ったのだ。
其れは…。
“(春のお彼岸に合わせて行われた)つくしの納骨式が終わる迄、まだ、迎えに来ないでお
くれよ‼”と、言う『タマの想い』…だったのだ。
タマは、考えて居たのだ。
“もう、此の世でつくしと会えないのなら、早く、つくしに会いたいのは山々…何だが、せ
めて、つくしの納骨式を済ませてから、あの世に逝きたいさね。”と…。
何故なら…。
此の22年間のタマは、自分自身を奮い立たせるかの様に、事在る毎に、度々、あの世に居る自身の夫に、“まだ、迎えに来ない様に…。”と、頼んで居たのだ。
だからこそ…。
此れ迄と同様に、此の時のタマは、あの世に居る自身の夫に頼んで置いたのだ。
“此れ迄、再び、つくしと会える事だけを夢見て、此の歳に成る迄、頑張って来たんださ
ね。
後、もう少し、待ってておくれ。”と…。
だからだったのかも知れない。
春のお彼岸に合わせて行われたつくしの納骨式が無事に終わった一年後…。(*)
力尽きたかの様に、老衰の為に、タマは、此の世を去ったのだった。
タマにとっては、つくしに会えない寂しい22年間だったのかも知れない。
だが、世間的に云えば、タマが此の世を去った事は、『大往生』だったと言えたのだ。
実は、春のお彼岸に合わせて行われたつくしの納骨式が無事に終わった後…。
司は、タマから『或る言葉』を預かって居たのだ。
云わば…。
其れは、タマからの『遺言』と、言っても過言じゃ無い程の言葉…だったのだ。
【其のタマからの『遺言の言葉』とは…。
「タマは、病院で逝きたく在りません。
タマは、此の道明寺邸の此のタマの部屋で逝きたいと思います。
其処で、坊っちゃんにお願いが御座います。
タマの其の時が来たら、病院に運ばず、此の部屋で逝かせて下さいましよ。」と…。】
そんな言葉をタマから聞いて居た司は、タマからの『遺言の言葉』として、道明寺家の執事に言付けて置いたのだ。
「もし、俺が(道明寺)邸に居ねぇ時に、タマが倒れたとしても、病院に運ばず、タマの
部屋でタマを逝かせて遣ってくれ‼
其れが、タマからの『遺言の言葉』だから…よ。」と…。
なので、其の時が来たタマは、道明寺邸の中に在る 自身の自室にて、此の世を去る事が出来たのだった。
実は、司は、タマが倒れた其の日の夜に、誰も居ないタマの自室に現れて、タマに頼み事をするのだった。
勿論、ベッドの中で眠って居る様に見えるタマ自身、意識が有るのか? or 無いのか?
此の時の司には分からなかったのだが、そっと、小さな声で、タマの耳元に話しし始めるのだった。
「タマに頼みが有んだ。
タマからの頼み事も聞いて遣るんだ。
俺の頼みも聞いてくれよ。
良いよな、タマ…。」と…。
そして、此の時の司は、ベッドの中で眠って居るタマの様子を見乍ら、更に、タマの耳元に話しし始めるのだった。
「実は、つくしが28歳という若さで早死にしたのは、全て、俺の責任…何だわ。
つくしが28歳という若さで早死にし無ければ成らなかったのは、英徳高校時代の俺がつく
しに貼った『赤札』が原因…何だわ。
此の事実を知る迄の俺は、つくしに『赤札』を貼った事自体、悪い事だとは思わずに居た
んだ。
何故なら、経った一人の俺の運命の女を、英徳学園の中で見付ける事が出来たんだから…
よ。
けど…よ。
其の経った一人の俺の運命の女を失ってしまった原因が俺だった何て…よ。
滑稽だろ。
英徳高校時代のガキだった俺に言って遣りてぇ…よ。
“ふざけんな‼”って…な。
だから…よ。
あっちに逝ったら、つくしに詫びて於いてくれよ。
“二度も、つくしだけの記憶を失くして悪かった。
で、つくしに『赤札』を貼った事を許してくれ‼”と…な。
で、更に、つくしに礼も言って置いてくれ‼
“ひなを産んで育ててくれて、サンキューな!”って…。
タマ、宜しく頼むな‼」と…。
【実は、タマは、司が遊びで始めた『赤札』について、知って居たのだ。
何故なら…。
司の両親で在る 道明寺HD 会長 道明寺保 と 道明寺HD 社長 道明寺楓が、司の
起こして来た事件を『和解』という形で、お金で揉み消して来た事を知って居たから…だ
ったのだ。
だからこそ…。
司が言って来た『赤札』と言う言葉だけで、『赤札』と言うものが如何言うもので在るの
かを理解出来たのだろう。】
そして、其の時…だったのだ。
此の時の司には意識が有る様には見えなかったタマだったのだが、司からの話しを聞いただけで、パチッと、目を開けたのだ。
そして、其の後、目を覚ました様な格好のタマは、目から一筋の涙を流し始めたのだ。
そして、何を言うでも無く、目を覚ました様な格好のタマは、更に、司を睨み付けるかの如く、司の方を向いたのだ。
だからだったのだろう。
此の時の司は、驚愕の余り、言葉を口にする事が出来ず、そんなタマを、唯、じーっと、見る事しか出来無かったのだ。
其処で、暫く経ってから、此の時の司は、漸く、我に返ったかの様に、タマに声を掛けるのだった。
「タマ、俺が分かるか?
司だ‼
あっちで、つくしと会ったら、伝えて置いてくれよ‼」と…。
だからだったのだったのかも知れない。
目を覚ました様な格好に成って居たタマは、司からの懇願を受けた事で、何を言うでも無く、更に、司の方を向いて睨み付け乍らも、司に頷くのだった。
そして、タマは、最後に、「坊っちゃんは、酷いお人だよ。」と、小さな声で、一言、司に言った後、完全に、目を閉じたのだった。
云わば…。
一旦、目を覚ました様な格好に成って居たタマは、タマ自身、此の時を待って居たかの様に、永眠したのだった。
言う成れば…。
タマの最期を看取ったのは、司…だったのだ。
其の点では、タマは、喜んで居たのだろう。
だが、最後の最後に聞いた司からの発言は、つくしを可愛がって居たタマにとって、聞き捨て成らない話しだったのかも知れない。
だからこそ…。
此の時のタマは、もしかしたら、思って居たのかも知れない。
“つくしへの良い冥土の土産話が出来た。
つくしと坊っちゃんの悪口を話しして遣ろうかね。”と…。
そして、其の後、タマの葬式後、納骨式と…。
慌ただしい日々を過ごして居た道明寺家の面々が、漸く、落ち着きを取り戻したのは、4月中旬の頃の事…だったのだ。
云わば…。
タマは、司 と つくしの愛娘で在る ひなの入社式を見届けた後、此の世を去ったのだった。
勿論、此の時のタマにとって、自身の入社式に向かう為に、スーツを身に着けた(司 と つくしの愛娘で在る)ひなの姿を見届けられた事は、此の上なく幸せな事で、タマは、自身の目を潤ませ乍ら、そんなひなを見て居たのだった。
そして、そんなタマは、自身の死期を悟ったかの様に、密かに、思って居たのだった。
“スーツ姿のひなお嬢様の立派なお姿を見届けられた事は、此の上なく幸せな事ださね。
あの世に逝ったら、つくしに話しして遣らないといけないさね。”と…。
其れはまるで、タマ自身、つくしに話しして聞かせる為に、態と、司 と つくしの愛娘で在る ひなの入社式を見届けた後に、あの世に逝ったかの様…だったのだ。
そして、其の後、タマの初盆を迎えた後の司は、此れ迄のお彼岸の様に、つくしのお墓参りだけでは無く、つくしが眠るお墓の横に建てたタマのお墓にも参る様に成ったのだ。
勿論、つくし同様に、つくしの両親で在る 牧野晴夫 と 千恵子夫妻が眠るお墓にも挨拶して居た事は言うまでも無いのだが…。
実は、何故、タマのお墓参りをスルーする事無く、ちゃんと、タマのお墓参りをする様に成ったのかと云えば…。
もし、お彼岸の度に、タマのお墓参りをせずに、つくし と つくしの両親のお墓参りだけに留めれば、きっと、タマが司の夢の中に出て来て、タマから怒られるだろう事が分かって居るから…だったのだ。
「坊っちゃんは、薄情者ださね。」と…。
だからこそ…。
其の後の司自身、『春のお彼岸』と『お盆』と『秋のお彼岸』は、必ず、つくしのお墓参り と つくしの両親のお墓参りに加え、タマのお墓参りも欠かさず、参る様に成ったのだった。
云わば…。
一年の中で、お正月以外で言えば…。
唯一、司が何を言わなくても、『休日』としてスケジュールが組まれる日は、『春のお彼岸』と『お盆』と『秋のお彼岸』だけという訳…だったのだ。
(タマ と つくしの命日は、毎年、時間を作って、司自身、お墓参りする様にして居たの
だった。)
言う成れば…。
其れだけ、司にとっての『春のお彼岸』と『お盆』と『秋のお彼岸』は、何を措いても、大切な日という訳…だったのだ。
(*)PS.
何故、タマが此の世を去ったのが、つくしの納骨式の一年後…だったのか?
其れは、実は、司 と つくしの愛娘で在る ひなの入社式が一年後に控えて居る事を、司から話しを聞いて知った此の当時のタマは、“後、一年…。”と、自分自身を奮い立たせる想い…だったのだ。
なので、タマは、あの世に居る自身の夫に、更に、タマの想いを頼んで置いたのだった。
“もう一年、迎えに来ないでおくれよ。
ひなお嬢様の入社式を見届けてから、迎えに来ておくれ‼”と…。
fin