浴衣パーティー…<総優>・<つかつく> 3.
浴衣に着替えられたF4とT4は、それぞれ、着替えた部屋から、リビングに出て来た。
司とつくしは、あの時の総二郎と優紀の出来事を思い出していた。
司は総二郎の様子から、何かを感じ取っていた。
また、つくしも優紀の様子から、何かを感じ取っていた。
<総二郎side>
司が俺に声を掛けて来た。
「総二郎、さっきから、松岡ばかり見詰めて、何、考えてる?」
「ああ??
何も考えてねぇよ。」
「そうか、そんな風には見えねぇけど…?」
「何が言いてぇんだよ?」
「あの日の総二郎は、かなり苛立って居たよな?」
「………」
総二郎は司の言葉を軽くスルーしようとしていた。
「松岡に、あんだけ苛立ってる総二郎の姿を見たのは、あれ以来、後にも先にも、誰も見
てねぇと思うけど…な。
あんな姿の総二郎を引き出せたのは、後にも先にも松岡だけじゃねぇのか?」
「………」
「総二郎、松岡に対してのあの頃の気持ちが沸いて来たんじゃねぇのか?」
「ああ⤵。
司、変わったよな⤴。
男は好きな女が出来ると、こんなに変わるって言う代表格だろうな、司は…⤴。」
「はぁ~??
お前もそうなるんだよ⤴。」
「そうだろうな⤴。」
優紀ちゃんの浴衣姿を見て、やっぱり、“高校の時とは違ぇよな…。”って、思えた。
あどけなさが残っていた高校の頃の優紀ちゃん。
そして、色気が出て来て、妖艶さがある今の優紀ちゃん。
やっぱり、茶道・華道・着付け・書道に触れているせいか、浴衣の身の熟しが美しい。
俺は、優紀ちゃんの何を見て来たのだろう?
こんなに、美しく変わった優紀ちゃんに惹かれている俺が居るなんて、考えも付かなかった。
“会えれば良いかな?”くらいにしか思っていなかったのに、惹かれてしまったとは…⤴。
それを司に見破られるとは、思いもしなかった。
優紀ちゃんに何て言おうか?
<優紀side>
私は、皆と離れて、高校生の頃に、西門さんに振られた言葉を言われた、あのお庭を見る事の出来る硝子窓の所に居た。
そんな時につくしが私に近付いて来て、声を掛けて来た。
「優紀、如何したの?
あの時の事を思い出した。
やっぱり、今日、来ない方が良かった?
顔色が蒼褪めて来ているよ⤵。」
「うん、大丈夫だよ‼
心配掛けてごめんね⤴。」
「良いよ、親友でしょ‼」
「うん、そうだね。
あの頃の辛かった場所が此処だったから、ちょっと、センチに成ってたのかな?」
「辛かったら言ってよ⤴。
無理しないでよ‼」
「うん、有難う‼」
<総二郎side>
優紀ちゃんの様子が変なのが分かった⤵。
じーっと、あの庭を見詰めてる、優紀ちゃん…⤵。
やっぱり、あの時の事を思い出してるのか…。
辛そうだよな⤵。
そうさせて居るのは、俺だよな⤵。
後悔しても遅ぇけど、優紀ちゃんは許してくれるだろうか?
俺も司みたいに、好きな女が出来た事で、人間丸事、変われるだろうか?
優紀ちゃんは、こんな俺を許してくれるだろうか?
今の俺は、瞳(め)が優紀ちゃんばかり追い掛けてる⤴。
やべぇよな⤵。
気持ちが爆発しそうだ‼