bad love…<つかつく> 4.
【大河原邸にて】
その日の帰宅後、滋は、妹のつくしの部屋を訪れていた。
つくしがお見合いを受けない様、説得する為だった。
「つくし、ちょっと良い?」
「はい、どうぞ。
如何したの、お姉様?」
「つくしに伝え忘れしていた事が有ったから、伝えに来たの。
『道明寺司』ってね、『女性嫌い』で、『ゲイじゃないか?』って、噂されている
の。
そんな、男とお見合いしても、上手く行く訳無いでしょ‼
分かってる?
『大河原の為…。』って、言うなら、私は姉として反対だからね。
つくし自ら『人身御供』して如何するのよ?」
つくしは、姉 滋の心配は痛い程、有難かった。
「お姉様、有難う‼
取り敢えず、お見合いして来るわ。
『大河原の為じゃない。』って、言っても嘘だとバレるから言うけど、お見合いをお断
りすれば、今後の道明寺HDとの契約話も上手く立ち行かなくなる。
お姉様が言う様な人なら、私が行っても彼方(あちら)からお断りされるわよ。
だから、大丈夫だから…ね‼」
滋は納得出来るものではなかったが、つくしの頑なな態度に、言う事を諦めたので有る。
「分かったわよ。
でも、嫌なら、“嫌っ‼”って、言うんだよ、分かった?」
「うん、有難う‼」
取り敢えず、この話しに関しては、姉妹は話しを続ける事を止めた。
【道明寺家にて】
楓は、大河原家から、お見合いの了承が取れた事から、司を呼び出していた。
「司、貴方にお見合いをしてもらいます。
相手は、大河原家の令嬢です。」
「はぁ~??
大河原家の令嬢は、大学時代にして、両者から断りの話しが有って、断念していた筈だ
ろ?」
「その方は、上の令嬢。
今度は下の令嬢。
大河原家の令嬢は姉妹なのよ。」
「はぁ~??
上がダメなら、今度は下ってか?
誰としても、答えは同じだろ?」
「打診は、此方からしているんです。
お断りは出来ないからそのおつもりで。」
「はぁ~??
如何いうつもりだよ‼」
楓は、頑なに、“断れない‼”と、主張して来たので、司は、それ以上言えなかった。
【メープルのラウンジのVIPルームにて】
F4の招集が掛かったので、司は集まりに来ていた。
世話焼きのあきらが、いつもと様子の違う司の異変に気付き、声を掛けて来た。
「司、如何したよ‼」
「嗚呼~??
ババアに見合いさせられるんだよ。」
類が、面白がって聞いて来た。
「今度は、何処の令嬢?」
「大河原…。」
「はぁ~??
『大河原』って、司、大学時代にしてなかったか?」
「それは上だったらしい。
今度は下。」
「大河原の令嬢って、姉妹だったの?」
「みてぇだな⤵。」
「懲りねぇな、司の母ちゃん。」
「如何しても、大河原家と、姻戚関係を持ちたいみたいだね、司の母ちゃんは?」
司は、思わず、大きな溜息を付いていた。
「………、はぁ~⤵。」
「司、溜息がでけぇ~ぞ‼」
「溜息も付きたくなるだろ‼」
F3、納得していた。