もしも類とつくしが兄妹だったら…<つかつく> 21.
【花沢つくし 編 21.】
道明寺保と花沢孝…某日、二人が話し合いを行った。
息子同士がそうである様に、親である、保と孝も幼馴染で親友であった。
久し振りの再会。
二人は司とつくしの行く末を案じていた。
司の姉 椿とつくしの兄 類とは違う意味合いで二人を見守っていた。
「孝、そろそろ、司を日本に帰国させようと思う。
どうだろうか?」
「もう既に、類はフランス支社に転勤させ、“3年はフランス”と、伝えてある。
何時までも、“つくし、つくし”と、つくしの周りを離れず、“シスコン”と、揶揄されて
も、何処吹く風。
此れでは、花沢物産の品位が損なわれると云うもの。
つくしにとっても良い機会になると思うが、司君が帰って来るのは司君にとっても良い
機会になるんじゃないか?。」
「そうか、そう思ってくれるか、有難う、孝。
じゃあ、すぐにでも司を帰国させる。」
「司君が帰国したら、道明寺HDの担当者をつくしにしよう。
何か進展するかも知れないしな。」
「そうか、司の事を宜しく頼む。」
「承知した。」
保とこんな話をしたのが、3ケ月前になる。
つくしは、『自分(つくし)に廻って来る道明寺HDとの仕事が日増しに自分(つくし)に増えたような気がするのは、気のせいか?』と、気になっていた。
ある日、社長であるパパに確認してみた。
「社長、ここ最近、私の道明寺HDとの仕事が増えたように感じるんですが…?
気のせいでしょうか?」
「否、つくしご指名だから、つくしに廻している。」
「はぁ??
今、何つった? パパ?」
「つくし、声が上擦っているぞ。」
「上擦るのは当然よね?」
「何、怒っているんだ?」
「もう良い、何を言っても変わらないんでしょ?」
「まあ、そうだな、仕事だからな。」
「はぁ~⤵。」
思わず、溜息が出たつくしであった。
あの、道明寺司の熱っぽい視線が恐怖なのよ。
分かってよ、パパ‼
道明寺HDにて…
取り敢えず、早めに仕事を切り上げて早めに帰ろうと、思っていたのに、早く帰らせてくれないって、どういう事よ。
「この後、食事にでも行かないか?」
「まだ、会社に仕事を残していますので、本日は帰らせて頂きます。
申し訳御座いません。」
「何時になったら、俺と食事に付き合ってくれるんだ?
いつも、いつも、断わりやがって⤵。」
「えっ‼」
えっ、拗ねてるの?
拗ねた顔が可愛いなんて綺麗な顔の人は得よね。
「拗ねてなんかねぇぞ。」
「えっ‼」
「お前、心の声が口から洩れてるぞ。」 相変わらずだな(苦笑)。
「すみません。⤵。」
態と、拗ねたように言ってやる。
「許してやるから、食事に付き合え‼」
「はぁ~⤵。」
溜息しか出ないつくしであった。