取り戻したい…<総優> 7.
<7話も少し短めです。 お詫びします。>
俺は親父に、即、相談した。
親父と俺は一緒に、優紀ちゃんが所属しているという芸能事務所を訪れた。
親父は、俺の為に、芸能事務所の社長に頭を下げてくれた。
「うちの愚息と優紀さんは、二人の共通の友人を介して、高校生の時に知り合って折り、
それから、うちの愚息は、高校生の頃には既に優紀さんに惚れていた様なんです。
それなのに、優紀さんを手放して、後悔しているというんです。
それに先日は、優紀さんに会えないだけで、ストレスで寝込む騒ぎを起こしまして、優
紀さんと、付き合いたいと申すんですよ。」
「………」
社長は、何も答えられないで居た。
「そちらの女優さんですから、無茶は言えないでしょうが、何処の馬の骨かもしれない男
と噂になるより、うちでしたら、西門流ですし、面は割れています。」
「………」
社長は、強引な物言いの家元に、空いた口が塞げない状態だった。
「如何でしょうか?
この際ですから、公表、致しませんか?」
「………、検討させてもらえますか?」
「承知しました。
良いお返事をお待ちしていますよ⤴。」
俺は親父に初めて素直に礼を言っていた。
「親父、有難な‼
今回のこの件は、親父に感謝してる。」
「親だからな。
お前にも幸せに成ってもらいたいんだよ。
それに、いくら注意しても止めなかった『女遊び』を、優紀さんに再会しただけなの
に、再会しただけで止められたって事だろ?
優紀さんを、お前から取り上げれば、また、『女遊び』を再開してしまうんだろ?
それが答えだろ?」
「………」
俺は、何も言えなかった。
親父の言葉が正論過ぎて…。
「総二郎、まあ、頑張れ。
好きな女の為なら、男は頑張れるもんだよ。」
「………、親父、何か、意味深だな?」
「………」
今度は親父が何も言えずに居た。
俺は、こんなに親父と話ししたのも初めてだった。
ちょっと、照れくさいもんなんだな。
親父も照れくさそうだった。
後は、“優紀ちゃんを堕とすだけだな。”と、俺は悟った。
優紀ちゃんを泣き堕とすだけだよな‼
俺はあれだけ決心したにも関わらず、優紀ちゃんとは、あれからもまた、何日も会えねぇ日々が続いていた。
また、俺の限界は、優紀ちゃんに会えない事で、深みに嵌まって行った。
そんな時だった。
俺に奇跡の女神が、またまた微笑んだ。