bad love…<つかつく> 7.
【大河原邸にて】
滋は、“つくしが道明寺司のパーティーのパートナーをする事に決定した。”と、父親から聞いて、慌てて、つくしの部屋に向かっていた。
「つくし、居る?」
「ええ、どうぞ‼」
「つくし、道明寺司のパーティーのパートナーをするって、本当なの?」
「まあ、そう言う事に成っていたの。」
「つくし、提携合意の為?」
「まあ、そう言う事に成るのかな?」
「つくしっ‼
やっぱり、つくしは、大河原家の為に『人身御供』するって事でしょ?」
「そうじゃないわよ…。」
「でも、そう言う事でしょ?
もう良いわよ⤵。」
つくしは、滋が如何して、こんなに頑なに『NO』に拘るのか意味が分からなかった。
其処に進が提言して来た。
「姉ちゃんっ‼
姉さんは、姉ちゃんを道明寺司さんに取られると思ってるんじゃないかな?
今や、姉さんの仕事振りは、姉ちゃんが居てこそだよね?
何れ、姉ちゃんが道明寺司さんと付き合う事に成っても、姉さんを“見捨てるつもりは
無い。”と、一言、言えば、話しは解決すると思うんだけどな…⤴。」
つくしは、進の周りを見て居る姿に、『成長して居たんだな‼』と、感心していた。
そして、つくしは、進に進言された様に、滋につくしの気持ちとして、話しして伝えた。
滋はつくしのその言葉に落ち着きを取り戻した様子だった。
進の言う様に、滋はつくしに、『見捨てられる』と、思っていた様だった。
しかし、つくしから、話しを聞いた滋では在ったが、何時まで経っても司には挑戦的な態度を崩さなかった滋で在った。
司は滋のその態度に驚愕すると共に、しんどく成って来ていた。
そして、思う事はいつも同じだった。
「うぜぇ~⤵。」
そして、パーティー開催日と成った。
司のパートナーはつくしが務めた。
今まで、司はパートナーを連れて居た事は無く、如何してもという場合は、身内(特に、椿が務めていた。)を連れていた。
司とつくしが、パーティー会場に入って来る姿を見ていた招待客は、いつもの司のむすっとした態度ではなく、また、身内以外のパートナーを連れている司が笑顔なのが信じられない様子だった。
余りにも、柔らかな司とつくしのオーラに癒されている招待客だった。
司が今まで出席していたパーティーでのこの雰囲気は初めての事なので、司の両親は驚愕していた。
つくしの持つ雰囲気がそうさせて居る事は間違いなかった。
つくしを道明寺家に取り込む事を、『一日でも早くしなければ…。』と画策し始めていた司の両親だった。
一方、F3も、この状況は信じられなかった。
司の柔らかい雰囲気…。
“有り得ねぇだろ?”と、思うF3だった。
F3は、司とつくしを呼び出して、話しを訊くべきだろうと画策していた。
また、大河原家の長女で在る滋を見た類は、『噂通りの女だな』と、陰でそう思っていた。
類には、人を見抜く能力が有る。
大河原家の姉妹は、元々、他人の様だとも思っていた。
所謂、養女だろうと…。
此れは、解明する余地が在りそうだとも、類は画策し始めていた。
そして、パーティー終了後、F3は司とつくしを呼び出す事に成功していた。
その事に気付いた滋は、一緒に就いて来たのは言うまでも無かったが…。
類は、序に、滋から話しを訊く事が出来るので、『一石二鳥だ』と思っていた事は、言うまでも無かったが…。