tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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慕情そして恋情…<つかつく>  2.




<翼side>


「翼はもう、中学生だ。
 伝えても、大丈夫な歳に成ったと思うから、話しするけど、聞く事が辛かったら言って
 くれ。
 後、この話しは姉ちゃんにするなよ‼」
「うん、分かった。」


俺は心して、進兄ちゃんの話しを聞いていた。


「翼の父親はな、姉ちゃんを凄く愛してくれてたんだ。
 最初は、姉ちゃんは兄さんを鬱陶しく思っていたんだ。
 兄さんが姉ちゃんを先に好きに成って、姉ちゃんは兄さんの『好き好き攻撃』をかわす
 事が必死で、高校2年の時に一瞬、成績を落としそうに成った程だったんだ。
 それでも、お構い無しの兄さんに根負けした姉ちゃんが兄さんを受け入れたんだ。」


俺は、父さんが母ちゃんにしたという、『好き好き攻撃』と言うのが気に成った。


「進兄ちゃん、父さんは母ちゃんにどんな『好き好き攻撃』をしたの?」
「例えば、何処に行くのにも、誰にでも、親友達にでも、いつも、『俺の女だか
 ら、手を出すな‼』って、触れ回ってたり、人前でも構わず、抱き締めようと
 したり、kissしようとしたり…、って、所かな⁉
 他に有ったとは思うけど、思い出す限りでは、これくらいかな?」


我が父親乍ら、呆れるしかなかった。


「兄さんと姉ちゃんの親友達は何時も、その度に…。
 “出た、独占欲‼”とか…。
 “俺様‼”とか…。 
 “いい加減、大人に成れ‼”って、言ってたよ。」


何か、恥ずかしくて涙が出そう…。
情けない‼


「でも、そんな兄さんと姉ちゃんの二人に、意を唱える人が出て来たんだよ。」
「それは誰?」
「兄さんの母親。
 翼で言えば、父方の祖母って所か?
 まあ、当り前と言えば、当たり前だったかも知れない。」


俺が首を傾げて居ても、お構い無しで話しを続けていく、進兄ちゃんだった。


「大富豪の御曹司と一般家庭のしかも、父親がリストラされるような家庭の娘との恋を許
 す訳が無いんだよな…。
 それに、うちの母さんは、娘の玉の輿を狙って、英徳学園に娘を入れ込むような見栄っ
 張りな人だったから、お金に眼が眩んだ娘とでも思ったのかも知れない。」
「母ちゃんはそんな人じゃないよね?」


進兄ちゃんの顔付きが変わった。


「姉ちゃんはそんな人じゃないよ‼
 それは俺が断言出来る‼
 でも、兄さんの母親は、姉ちゃんの本質を見ないで、育ちが悪いと決め込んで、兄さん
 と姉ちゃんを引き剥がしに掛かったんだよ。」
「………」


俺は、顔面蒼白だったと思う。
父さんの母親を許せないと思った。


「それも1回や2回じゃない。
 その度に、離れたり、くっ付いたり…。
 そんな兄さんと姉ちゃんを助けたのが、二人の共通の親友達だよ。」


そんな親友の人達が、父さんと母ちゃんの味方で在ってくれた事が嬉しかった。


「また引き剥がされそうに成っていた兄さんと姉ちゃんを親友達が拉致して、クルー
 ザーに乗せて、兄さんと姉ちゃんだけの二人っきりにしたんだよ。
 で、大騒ぎしたのが、兄さんの親で、“誘拐された。”って、TV放送される程の大騒ぎに
 成ったんだ。
 で、戻って来た所に、マスコミで溢れ返っている港で、兄さんが暴漢に襲われて刺され
 たんだ。
 兄さんは、一命は取り留めたけど、その代わりに、一部の記憶だけを失ったんだ。」


もしかして、それって…


「兄さんは、姉ちゃんだけの記憶を根こそぎ失ったんだ。」


やっぱり…


「多分だけど…⁉
 姉ちゃんから聞いた訳じゃないけど…。
 翼ももう、中学生だし、分かってると思うから言うけどな。
 親友達に乗せられたクルーザーの中で、二人っきりの時に、兄さんと姉ちゃんは…。
 兄さんと姉ちゃんは、もう、離れたくなかったんじゃないかと思うんだ。」
「じゃあ、その時に俺が出来たって事?
 その事も父さんは記憶が無いって事?
 今、何処に父さんは居るの?」
「NYだよ‼
 それも、兄さんの母親が無理矢理、NYに連れて行ったんだ。
 多分、姉ちゃんの記憶がない事を、これ幸いと喜んで、最後通告の様に、姉ちゃんの居
 ない所に、瞳(め)に触れない所に、連れて行ったんじゃないかと思う。」
「………」


俺は何も言えなかった。
言える筈無いよ、NYじゃあ…。


「俺は、兄さんの母親を許せないんだよ、今でも…。」


進兄ちゃんは、姉思いだから…。
優しいんだ、進兄ちゃん…。

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