tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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慕情そして恋情…<つかつく>  11.




司は、イライラしていた。
つくしを幾ら、司の執務室に呼び出しても、一向に現れないのだ。


「西田、何故、牧野は執務室に来ない‼」
「先程、申し上げましたが…⁉
 お聞き下さってなかったのですか?」
「はぁ~??」


司は、苛付きの余り、西田の言葉を聞き逃していたのだ。
西田に、その事がバレると、“ヤバい‼”と思う、司だったのだ。


「本日は、牧野さんはお休みだそうです。」
はぁ~??
 俺がこれだけイライラしながら、仕事してるのに、あいつは

 何で、休んでんだ‼
「そんな大きな声で叫ばれなくとも、私は、十分、聞けておりますが…。」


司の苛付きは、頂点に達していた。


「うるせぇ~‼
 牧野を呼び戻せ‼」
「それは、ご無理というもの。」
「はぁ~??
 何故、無理なんだ?」


司は、貧乏揺すりをする程、イライラ度が頂点を突き抜けてしまっていた。


西田は、“そろそろ、限界か⁉”と、悟ったので有った。


「本日、牧野さんは、社長とご一緒に外出ですので…。」
「はぁ~??」


司のイライラは、限界の域を、更に、超えて来ていた。


西田は、仕方なく、楓に連絡を入れた。
丁度、翼のクラス参観が終了して、つくしと翼と一緒に、校舎の外に出て来た所に、西田からのTELが楓の下に入った。


“社長、司様の限界の域が超えた様でございます。”
「もう、越えたと言うの?
 ほんと、情けないわね…(笑)。
 今日は折角、つくしさんと翼と一緒にお食事でもと、思っていたのに…⁉
 堪え性の無い息子です事。
 仕方ないわね、つくしさんを戻すわ。
 西田も大変ね。」


“社長、何処か、楽しんでいらっしゃる節が有ると推測致しますが、私の思い間違いで
 しょうか?”と、西田は、思っていた。



西田とのTELを終えた楓は、つくしに伝えた。


「つくしさん、司が限界らしいわよ(笑)。
 つくしさんが執務室に現れないだけで、イライラして、仕事にならないそうよ。
 西田が大変みたいだから、戻って上げて頂戴。
 戻ったら、覚悟しなさいよ。
 司に離してもらえないかもね(笑)⁉」


楓は、大笑いしながら、つくしに告げていた。


“翼の前で言うセリフですか?
 楓社長、楽しんでらっしゃいません?”と、つくしは、思っていた。


「翼、今日は、私(わたくし)に付き合って頂戴。」
「ええっ‼
 今日のレッスンは、如何成るの?」
「いつも、頑張ってるから、お休みのご褒美を上げるわ。」


翼は、“祖母より、レッスンの方が良い‼”と、思って居た。
将来の夢を実現する為に…。


「えっ⁉」
「あら、その様子じゃあ、レッスンの方が良かったのかしら?」
「嫌、そうじゃないけど…⁉」
「怪しいわね。
 まあ、良いわ。
 取り敢えず、今日はお休みだから…。」
「了解‼」


こうして、つくしは会社に、楓と翼は食事をする為、メープルにと、それぞれ、別れて向かった。




楓は、翼を楓のキープしている部屋に連れて行き、ルームサービスを取って、部屋でゆっくり食事をした。


「翼、あれから、つくしさんに、何か、私(わたくし)の事を聞いたの?」
「母さんからは、一切、何も聞いてないよ。
 でも、進兄ちゃんからは、お祖母さんと会う前に聞いて居たかな。」
「進さんって、つくしさんの弟さんの事よね。
 進さんは、何て、私(わたくし)の事を仰ってたの?」
「『何故、父さんと母さんが、何度も別れては寄りを戻すを繰り返さなくてはいけなかっ
  たのか?』を説明してくれたよ。
 父さんに母さんの記憶がない理由も含めて…。
 その結果、お祖母さんが、『父さんをNYに連れて行った』って事とか…。」


楓は居た堪れないで居た。
楓は、話題を変えようと、翼に質問していた。


「翼は何故、進さんを『進兄ちゃん』と、呼んでいるの?」
「進兄ちゃんが中学3年の時に俺が生まれたらしくて、俺が喋れる様に成った時も、進兄
 ちゃんは、まだ、高校生だったんだ。
 だから、『叔父さん』は可哀想だからって、母さんが、『進兄ちゃん』って、呼ばせる
 様にしたみたい。
 俺が幼稚園の頃までは、本当のお兄ちゃんだと思ってたんだ。
 俺のお兄ちゃん代わりを何年もしてくれて、頼りに成る兄貴分だったから、今でも、偶
 に、LINEで遣り取りしてるんだ‼」
「そう。
 翼は牧野家からも愛されていたのね。」
「勿論だよ‼」 


翼は、笑顔で、楽しそうに、笑って見せた。
その翼の笑顔が、楓には、眩しかった。


また、牧野家から、翼が愛してもらえてた事への感謝と…。
また、翼の幼少期を愛して遣れなかった自分自身が辛かった。


本来なら、『道明寺家で育てるべき孫だったのに…。』と…。
翼の幼少期を知らない楓にとって、後悔しかなかった。


何故、あの時、司につくしの記憶がない事を喜んでしまったのか?



此れからは、『つくしさんと翼の幸せを祈って、尽くして行こう‼』と、決意を新たにした楓だった。

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