慕情そして恋情…<つかつく> 22.
<翼side>
俺が30歳に成って来ると、祖母さんが、“結婚、結婚…。”と、煩く成って来た。
今は、彼女は居ないけど、俺もそこそこモテるんだけど…な⤵。
父さんに言わせれば、“俺に瓜二つの息子何だから、モテて、当り前ぇだろ‼”って、言われた。
けど、父さんは『女性嫌い』だったらしいじゃん‼
椿伯母さんが力説してたわ‼
父さんが聞けば怒るだろうなと思う事まで、教えてくれたよ‼
『姉弟』って、凄いね。
姉の立場、フル活用だよな⁉
弟の立場、有ったもんじゃないもんな⤵。
父さんにしても、進兄ちゃんにしても、弟の立場は、椿伯母さんや母さんの前では無いのも等しいもんな。
良かったよ、俺、兄貴の立場で…‼
蘭にしても、翔にしても、兄貴として、俺を立ててくれるもんな‼
女性って、敵に回したら怖いって言うのは、椿伯母さんと母さんから、教わったわ‼
だからだろうか?
女性を見る目が人と違っている様に感じてしまうんだよな…。
恋愛は苦手じゃないけど、躊躇してしてしまう俺って…。
それって、やっぱり、親と身内の影響…かもな。
<楓side>
翼がまさか、30歳に成ってもお相手が居ない何て、思わなかった。
司の場合、ゲイと疑われる位、『女性嫌い』って、言うのが有ったので心配はしたが…。
つくしさんと再会したら、また、司はつくしさんに向かうのが分かっていたので、最終的には、本人に任せた。
しかし、翼は違う。
大学時代から、何人かの恋人は居て、お付き合いしていた様だった。
翼のSPが言っていた。
しかし、結婚には至っていない。
翼に結婚をする気が無いのか?
全く以って、分からない。
司とつくしさんに、話ししても、“焦らなくても、したく成ったらするだろうし、そんな焦らなくても…。”と、言われてしまう始末。
親より、祖母が悩む事ですか?
親としての危機管理が成ってないわ‼
主人に話ししてみようと、主人の執務室に向かった。
「あなた、翼の事ですの?」
「翼に何か有ったのか?」
「有るとか無いとかではなく、翼の結婚の事ですわ?
翼は30歳に成ったというのに、一向に、その気がない様ですし…。
司とつくしさんも親として如何思って居るのかしら…⁉
焦ってないみたいですの。」
保は、翼の歳を聞いて、感慨に耽っていた。
「翼はもう、そんな年に成ったのか?
そうか?
早いな‼」
楓の話は、何処へやら…。
楓は、呆気に取られていた。
「あなた、そう言う事をお話ししてるんじゃあ、御座いませんのよ。
翼の結婚についてですのよ⁉
両親が真剣じゃないなら、祖父母で何とか致しませんと、翼には、現在、お相手も居な
い様ですのよ。」
保は、息子で懲りていないのかと、言いたかった。
「司の時で、懲りて居ない様だな。
翼には両親が就いてるんだ。
私達は、動かない方が良いだろ?
翼に嫌われるぞ‼」
「………」
楓は、夫である保の『嫌われる』と、言う言葉に何も言えなく成ってしまって居た。