bad love…<つかつく> 10.
<10. は、短めです。
すみません。>
類は、司とつくしと滋に、或る提案を持ち掛けた。
「提案が在るんだけどさ…。
でも、この提案には、司次第って処が在るんだよね?
司がこの提案に飲めなければ、婚約も破棄されると思うけど…?
司、如何する?
司が聞くって事は、提案を飲んだって思う事にするけど…?」
司は、“俺を脅してんのか?”と、言いたかったが、類が考える事は、いつも、的を得てるので、聞く事にした。
「ああ、分かった。
で、類、如何いう提案なんだ?」
「うん。
仕事の時は、大河原姉妹で居る。
だから、もし、司と結婚と成っても、道明寺HDには出向しない。
でも、プライベートの時は、司と居る。
だから、もし、結婚と成っても、プライベートは司とって事。
此れで、如何?
お互い妥協が大切でしょ?」
渋々、司も滋も、了承した。
司が渋々でも、了承したのは、類が、こっそりと、“あの子の姉さんも、好きな男(ひと)成り、恋人成りが出来れば、あの子の全ては司の者に成るかもよ⤴。”と、教えて来たからで在った。
しかし、この事が呼び水に成ったか如何かは分からないが、類も、後々、後悔する事に成るのだった。
唯、つくしは本人無しで、話しがどんどん進んで行く事に不快感は在ったが、此れしか無いのかと、諦めようとしていたのだった。
だが、ふと、思って居る事が口から出た。
「ちょっと待って…‼
私、道明寺さんとお付き合いする方向に話しが進んでいる様に感じているのです
が…。」
司は、つくしの顔を見て、寂しそうな・辛そうな顔をした。
その顔を見て、つくしは申し訳ない事を口走ってしまったと、反省していた。
「つくし、俺と付き合う事は嫌なのかよ?」
「………」
つくしは、司の俺様振りに何も言えなかった。
「つくし、嫌だと言うなら、俺の何処が嫌かはっきり言え‼
俺程のハイスペックな男は何処を探しても居ねぇだろ?
俺は、“お前が良い‼”って、言ってんだ。
それの何処が不満なんだ?
俺に、“好かれてぇ‼”と、ほざく鬱陶しい女は幾らでも居るのによ…⤵。
何で、俺が求めてるお前は、躊躇してんだよ(怒)‼
つくし、分~ってるのか?」
「………」
つくしは、司の俺様振りに、更に驚愕していた。
滋が言っていた、“司の本性が出て来たのかも知れない…。”と、思っていた。
恋愛を経験した事の無いつくしが…。
恋愛偏差値の低いつくしが…。
こんな恋愛で良いのかと、悩んでも仕方なかった。
だが、司は至って、冷静に真剣につくしを求めていた。
その司に折れる形と成ったつくしが其処には居たのだった。
つくしは、取り敢えず、司の強引さに負けて、司と付き合う事にしたのだった。