生まれ変わり…<つかつく> 3.
<司side>
俺は、関西の経済連のパーティーに出席していた。
俺が来た事で、関西企業の上役は、皆、俺に挨拶をしたがっていた。
そんな時だった。
白髪の紳士と一緒にパーティー会場に入って来た一人の女性に瞳(め)が釘付けに成った。
否、女性と言う寄り、少女に近いか?
しかも、あの頃のあいつを、俺の知っているあいつの姿を彷彿とさせる程、瓜二つの少女だった。
俺は、“やっと、『あいつ』を見付けた‼”と、思って居た。
『あの少女』の姿を見て、俺の夢の話しを聞いていたからか、西田も、驚愕していた様子だった。
親子で居るだろう『あの少女』の傍まで、俺は近付き、父親で有ろう紳士に声を掛けた。
「初めまして。
『道明寺HDの道明寺司』と、申します。」
「此方から、ご挨拶に伺わなくて成りませんのに、態々、申し訳御座いません。」
「いえ、ご挨拶が出来て光栄です。」
「ご挨拶が遅れ、申し訳御座いません。
私は、『古菱商事の古菱』です。
此方は、娘の『古菱美桜』と、申します。」
お互い、名刺の交換をし、美桜は、挨拶をした。
「宜しくお願い致します。」
美桜は、頭を下げた。
「お嬢さんは、まだ、お若そうですね。」
「ええ、まだ、大学生、何ですよ。」
「お歳は?」
「19歳です。
3月生まれなので、まだ、20歳には成ってないんです。」
「いやはや、私をご覧に成って、不思議にお思いですよね?」
「いえ、そう言う訳では…。」
「いいえ、良いんですよ。
私達、夫婦は、中々、子宝に恵まれず、結婚15年目にして、やっと授かった一粒種何
ですよ⤴。
同年代の知り合いは、孫が出来る様な年齢で、私達夫婦は子供が授かったという訳です
よ。
だから、可愛くて仕方無いんですよ⤴。」
美桜は、照れながら、父親に声を掛けていた。
「パパっ‼」
「素敵な事じゃないですか?
私も此の年齢で、まだ結婚を一度もした事無いですし、出来るかも分かりませんし、結
婚出来たとしても、子供もと、言えば、もっと先でしょうから…⤵。」
美桜の父親は、困惑していた。
「ですが、道明寺さんは、婚約者が、20年程前にいらっしゃったのでは…?」
「ああ、それは、母親が勝手に決めた縁談で、私が見向きもしないで居ると、“話しが違
う‼”と、言われて、婚約解消になったんですよ。」
「………、そうだったんですか?」
司は、美桜の父親と話ししているのに、司の視線は、ずーっと、美桜を見たままだった。
美桜は、司の視線に居た堪れずに居た。
司は、美桜の中のつくしを見詰めていたのだ。
美桜は、つくしの様に、司だとて、『媚びない』。
また、美桜の見た目は、『芯はしっかりしている』様だった。
司は、感じていた。
やはり、美桜の中にはつくしが居る。
“夢の中の『あいつ』は、やっぱり居たのだ‼”と…。
俺は、西田に、『古菱家』・『古菱美桜』の事を調べる様に伝えた。
そして、1週間程で、調査報告書が届いた。
そうしたら、難の事無い、美桜の母親とつくしの母親は、従姉妹に当たるそうだ。
という事は、美桜とつくしは、はとこに成る。
一応、血筋では有ったのだ。
俺は、関西に出張の度に、美桜を呼び出し、食事に誘った。
其処で分かったのが、美桜は、幼稚舎から大学まで、全て、エスカレーター式の女学院出身だそうだ。
その為、男性慣れして折らず、今まで、付き合った事も無いとの事だった。
何時しか、俺と美桜は、会う事が当たり前に成り、俺は関西だと油断して居た事も有り、パパラッチに、俺と美桜が食事して居る所や、ショッピングして居る所を撮られて居たらしい。
数か月後には、其れが、ゴシップ誌に掲載された。
勿論、ババアからは、“如何言う事か?”と、連絡が来た。
また、18年も疎遠に成っていたF3からまで、連絡が来た。
F3からは、招集を掛けられた。
取り敢えず、F3に説明しなければ、埒が明かなそうだったので、会う事にした。