やっぱり、私は…<つかつく> 6.
<つくしちゃん、Happy Birthday!!>
<つくしside>
今日は、20回目の私の誕生日‼
そう、12月28日…‼
道明寺のお母様からも、話しが有った。
「今日は、18時に上がるわ‼
椿も来るらしいから、ディナーを一緒にしましょ‼」
「有難うございます。」
道明寺のお母様は、ニコっと、笑ってくれた。
言ったら、怒られるけど…。
ここ最近、道明寺のお母様の“超レア‼”を何度も見ている。
高校生の頃とは、大違い‼
【NYの道明寺邸にて】
道明寺邸に到着すると、タマ先輩が迎え入れてくれた。
「先輩っ‼」
「つくし、あたしゃもう、『先輩』じゃないだろ⁉
『タマ』で、良いんだよ‼」
「それは幾ら何でも…。」
「じゃあ、中とって、『タマさん』は如何?
つくしちゃんっ‼」
「椿お姉様‼」
「そうね、そうしなさい‼
それと、私(わたくし)にも、何時までも、『道明寺社長』は如何かしら?
貴女の母親に成るのよ‼
『お義母様』と、呼んでもらわないとね⁉」
「つくしちゃん、そうして‼
つくしちゃんは、私の妹よ‼」
こうして、タマさんを交えて、『女子会』と、称して、私のお誕生日会を開いて下さった。
何故か、早目にご帰宅されたお義父様が、ご一緒下さったのは言うまでも無い。
和やかに、会も終盤に差し掛かった頃、お義母様がお席をお立ちに成り、私を別室に連れて行って下さった。
其処で、私は吃驚した。
(成人式の)振袖が、衣紋掛けに掛けてあった。
『白地に赤色や黄色やオレンジ色の小花柄が散りばめられた古
典的な絵模様』の振袖…。
しかも、総刺繍なのだそうだ。
帯は、金色の帯…。
本当に、金箔が一緒に、細工されているとの事…。
京都から取り寄せた、有名作家先生の作品らしい。
“凄いなぁ~”って、唯、感心して、見詰めていた。
其処に、椿お姉様が飛んでも無い事を仰った。
「これ、つくしちゃんのよ。」
「えっ、でも?」
「世田谷のお邸で、サイズ計ったでしょ?」
「えっ、何時(いつ)ですか?」
「つくし、覚えて無いのかい?」
「………」
私は俯くしかなかった。
何時(いつ)、計った?
“ボケボケするな‼”って、道明寺に良く怒られるけど…。
“そんな事、無い‼”って、思って居たけど…。
今度ばかりは、ほんと、良~く分かってしまった。
ああ、自己嫌悪‼
「秋頃、計ったでしょ?」
「でも、あれは、此れからの為って…。
あっ‼」
「ほんと、貴女って、娘(ひと)は…⁉
此れは、貴女の成人式の為に仕立てた振袖よ。
貴女への私(わたくし)からの誕生日プレゼントよ‼
受け取って頂戴‼」
つくしは、声を詰まらせながら、答えた。
とても、辞退出来る雰囲気ではなかった。
道明寺のお母様の気持ちを有難く、快く受け取る事にした私だった。
「有難うございます。」
「牧野の御両親に確認したらね、“レンタルする。”って、仰ったのよ。
『道明寺家の婚約者』がレンタルでは恰好が付かないでしょ。
これ位、着付けてもらわないと…。」
えっと、何か、さらっと、仰いましたが…。
『道明寺家の婚約者』って、如何いう意味でしょうか?
聞くに聞けない…、この雰囲気。
「つくしさん、貴女に、道明寺主催の新春パーティーの司のパートナーを務めてもらう
わ。
勿論、世間的には、まだ、発表はしないけど…。
主要の要人の招待客には、『司の婚約者』として、紹介するから、そのおつもり
で…。
その時に此の振袖を着付けて頂戴‼」
私は、嬉しくて泣いてしまっていた。
タマさんもつられて、もらい泣きしていた。
椿お姉様は泣きながら、道明寺のお母様に飛びついて居た。
「お母様っ‼」
と、叫びながら…。
道明寺のお母様は、更に、言葉を付け加えられた。
「司には、勿論、内緒にして為さい。
パーティーの件も含めて…。」
道明寺のお母様は、悪戯っ子の様な笑みを蓄えていた。