やっぱり、私は…<総優> 10.
<総二郎side>
俺は、優紀ちゃんの後ろから、就いて行く様に歩いていた。
その時だった。
優紀ちゃんが、履き慣れて居ねぇパンプス何だろう…?
前のめりに倒れそうに成っていた。
俺は、思わず、背後から、手を伸ばして、優紀ちゃんを支えた。
そして、倒れ込まねぇ様に、抱き寄せた。
此れは、不可抗力だっ‼
態とじゃねぇ‼
あいつ等、F2&T2は、そんな俺を見て、ニヤニヤ、ニヤ着いてやがる。
俺は、居た堪れなく成って、思わず、優紀ちゃんを支えていた手を離した。
「あっ、西門さん、有難う御座いました。」
「大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。」
そう言われて、俺は、優紀ちゃんから、離れた。
もう、少し、支えて居たかったのに…よ。
俺の心臓の鼓動が聞こえてたら、拙ぃな‼
其れからは、俺は、パーティー会場に入ってからも、優紀ちゃんから、眼が離せなかった。
否、優紀ちゃんを眼で追っていた。
何故なら、優紀ちゃんを狙ってそうな輩がちらほら見受けられるからだ。
そう言う輩を一応、俺は牽制して於いたのだが…。
効力はそれ程ではねぇ様子だった。
何故なら、俺は、優紀ちゃんの傍に居る訳ではねぇからだ。
優紀ちゃんの傍に居るのは、大人っぽいドレスを着ていた滋と桜子だったのだから…。
その二人の間に、妖艶なのに、可愛らしい少女の様な無垢そうな女が居れば、眼を引くのは当たり前ぇの事で…。
しかもだ、ミニ丈から見える、太腿辺りから足首までのほっそりしたスレンダーな脚を露わにされてみろ‼
俺は、お手上げだろ‼
其れにだ、首からデコルテに掛けて、滑らかそうな肌を惜しげもなく披露して、露わに成ってやがる…。
そりゃあ、男は見るよな⁉
ああ~~、くそっ‼ ←何度目だぁ~。 by 天の声
桜子、覚えて於きやがれっ‼
で、俺は、優紀ちゃんを眼で追う事しか出来ずに居た。
そうこうして居る間に、司と牧野が入場して来た。
周りに挨拶を交わしたがっている企業の重役…。
牧野が司のパートナーで居ようとも、娘や、孫娘を紹介しようとする企業の会長や社長…。
司は、全てをあしらい、挨拶回りの際、主要な要人には、牧野を司の婚約者として、西田は、紹介していた様子だった。
司を見て居て思う…。
司は、本当に大人に成ったと、思う。
“牧野が傍に居るだけで、司をこんなに変えられるのか?”と、俺は、そう思った。
俺は、優紀ちゃんをこの手に入れられるのだろうか?
そして、俺も、司の様に、大人に成れるのだろうか?
司の頼もしさが、俺は、羨ましく成っていた。
其処に、あきらが、類と俺に声を掛けて来た。
「司、あんなデレデレで…よ。
幸せそうだな‼」
「ほんと、そうだね‼
あれは、絶対、司…。
成人式、日本に帰国して来るんじゃない⁉
あんな、牧野を…。
男も居る中に放って置けないでしょ…司が⁉」
「だな。
楽しみだな‼
何なら、牧野と優紀ちゃんの成人式の後、パーティーでもして遣るか?」
「司は、牧野と二人っきりに成りたいって、言いそうだけど…⁉」
「まあ、な‼
でも、見れば、見る程、牧野と優紀ちゃんは原石だったんだな‼」
俺は、『優紀』のフレーズに、怪訝気味に、あきらに聞いて居た。
「それ、如何いう意味だよ⁉」
「磨けば光る原石…‼
それが、今、発揮されてるだろ⁉
ダイヤモンドの如く…。
牧野も優紀ちゃんも…。
牧野と優紀ちゃん、どっちが、男の視線を独占してるんだろな?」
「………うっ‼」
俺は、あきらの言葉に、ぶち切れそうに成っていた。