やっぱり、私は…<総優> 14.
<優紀side>
朝、起きたら、滋さんが、言って来た。
「そう言えば、つくしから、LINEの返信、入ってないね?」
「道明寺さんからも入って来てませんから…。
もしかして、お二人一緒なのかも…ですよ。」
「じゃあ、仕方ないか?
私達で、行動しよう‼
って、言うか…?
今日は、ニッシーを試す日なんだから…。
優紀、ニッシーの誘惑、宜しくね‼」
「………」
滋さん、“誘惑‼”って…。
幾らなんでも、私に出来る訳ないじゃないですか…⁉
そんな時、桜子さんがフォローしてくれた。
「優紀さん、取り敢えず、私達のする事に、一々、一喜一憂しないで、話しを合わせて下
さいよ。
後の責任は、滋さんと私で持ちますから…。」
「………、でも…⁉」
「良いですか、優紀さん?
西門さんの本気度がどれ位か…⁉
知りたくありませんか?
このままで、良いとは、思って居ないんですよね?」
私は、“其れは、そうだけど…。”と、言う意を込めて、桜子さんに応えていた。
「うん、まあ…。」
「じゃあ、取り敢えず、西門さんを優紀さんから離れられなく成る様に、仕掛けません
か?」
「桜子さん…⁉」
「良い?
優紀っ‼
今から、『ready go』だよ‼」
で、私は、本気で、西門さんに向かう様に、仕向けられてしまった。
<総二郎side>
ああ~、T3からのLINEが遅ぇ…。
何時(なんじ)に出掛けるつもりなんだ?
「なぁ~、あいつ等からのLINE、遅くねぇか?」
「はぁ~??
総二郎、マジで、就いて行くつもりかよ?」
「はぁ~??
俺は、マジだ‼
マジで、優紀が欲しいと思う物は、全て買って遣るつもりだ‼」
類とあきらは、目配せを初めやがった。
良いんだよ‼
俺が買って遣りてぇんだから。
「ほんと、飢えた野獣だね、総二郎‼
これじゃあ、司と変わんないよ⁉」
「うるせぇ~‼」
「まあ、それだけ、優紀ちゃんに惚れたって事だろ⁉
気付くのが、遅ぇけどよ?」
「………」
何を言われても良いが、それを言われるのが、一番辛ぇ…。
そう何だよな。
俺の一番の敗因は、其処なんだよ…。
優紀が俺を許せぇのも、其処だろうし…。
ああ~、何で、あの時、俺は、優紀の手を離せたんだ…⁉
ほんと、分かんねぇ…⁉
分かんねぇけど、マジに成った以上は…‼
気付いてしまった以上は…‼
もう、諦め切れねぇんだよ。
優紀、諦めて、俺の所(とこ)に戻って来いっ‼
<優紀side>
桜子さんのLINEに美作さんから、LINEが入って来たらしい。
「う~ん、美作さんからLINEが入って来て、『今日、何時(なんじ)に出るんだ?』
って、言って来てますけど…⁉
何時って、返します?」
「う~ん、そうだな?
昨日のLINEに、『お昼過ぎかな?』って、送ったんだっけ?
じゃあ、13:00で良いんじゃない?」
「LINEに入れますね。」
其れから、直ぐに、返信が有ったらしい。
其の、返信の内容を桜子さんから聞いて、私は、驚愕しか無かった。
「『了解‼』って、返信が有りました。
で、西門さんが、“いつ出るんだ?”って、煩くしているらしいですよ‼
優紀さん、観念して差し上げた方が、身の為じゃ有りませんか?」
滋さんも、凄い事を言い出した。
「其れじゃあ、面白く無いのよ。
ニッシーを試してからじゃ無いと、優紀を任せられないでしょ?
今まで、優紀を、散々、苛めて来たんだから、ニッシーには、償ってもらうわよ‼
良い、桜子、そのつもりで遣ってよ‼
優紀が、出来ない分、私達で、優紀の仕返しをするんだから…ね‼」
言葉は、如何か分からないけど…。
滋さんも桜子さんも、私の事を思ってくれているから、有難い‼
ほんと、二人を合わせてくれたつくしには、感謝だね?
でも、此の言葉を聞いた私は、ちょっと、怖くなった。
「つくしが居れば、もっと、優紀の仕返しを、ニッシーに出来るのに…。
惜しいな‼」
ああ~、先行き、不安…。