もしも類とつくしが兄妹だったら…<つかつく> 30.
【花沢つくし 編 30.】
連れ出す事に成功(?)した司はつくしと一緒にレストランで食事をしていた。
今日は、司はつくしに想いの丈を伝えようと思っていた。
つくしの顔を見れば、怒っているのは当然で、取り敢えず、司はゴマ擦り体制に入っていた。
「怒っているよな?」
「当然ですよね。
あんな連れ出し方して…。」
常に、横暴で強引な司のしょんぼりしている姿を見て、つくしは可哀想になり、つい…。
「反省しているんですか?」
「反省してる。
許してくれるんか?」
司の作戦とはつくしは知らず、司はして遣ったりである。
つくしは段々、司の思惑に、知らず知らずの間に嵌ってしまっていた。
つくしは、司の迷路を抜け出せるのか?
迷宮入りの要素を蓄えていた。
「許すも許さないも、道明寺副社長次第だと思いますけど…。」
「その役職呼びは止めてくれねぇか?
折角、一緒に居て、食事して、ムードってもんがあんだろ。
仕事じゃねぇんだからよ。」
「じゃあ、何てお呼びすれば宜しかったですか?」
「“司”で、良いんじゃねぇ?」
お前の“道明寺”呼びもスゲェ好きだったけどな、長らく呼ばれてねぇからな、お前の声で、“司”って、呼ばれてみてぇんだよな。
「はぁ~??」
「ダメか⤵?」
「プライベートだけで良いからよ。」
「呼ぶとしても、プライベートだけなのは当然です。
考えさせて下さい。」
「考えないといけないのかよ⤵。」
「当然です。」 (司の顔を見ない様に言う、つくし…。)
やっぱりダメなのかよぅ~。
情けねぇ、泣きそうだわ、俺(苦笑)。
「私達は、お仕事上のお付き合いです。
恋人でもないのにお名前で呼べる訳、無いですよね?」
「恋人なら、良いのか?
じゃあ、今すぐ、恋人になろう⤴。」
お前の言葉で一喜一憂してる俺って、お前に翻弄されているよな。
でも、悪くねぇんだわ。
「はぁ~??
ぶっ飛んでますよ⤵。」
もう、いい加減にして欲しい、横暴、副社長さん‼
「俺は何時だって、100%本気だ。
否、120%か?」
「はぁ~??」
心の声が思わず、漏れているつくしであった。
「仕方ねぇなぁ、おまえの気持ちが固まるまで待って遣るよ。
俺は意外と我慢強いんだわ。
それに、(お前だけは)待つのは慣れているんだわ。」
司は、あと少しで、つくしが俺に堕ちてくると、期待に胸を膨らませていた。