やっぱり、私は…<総優> 27.
<一部の言葉に、不快で有ろう言葉が入っています。
お詫びします。>
<総二郎side>
優紀の振袖に合わせる小物も、1月13日に呉服屋が(西門)邸に来た事で、すんなり決まった。
その後、俺は、優紀を拉致る様に、俺の自室に閉じ込めていた。
「優紀、お前、大丈夫か?」
「何が…ですか?」
やっぱり…な。
優紀は、そう言う女だよ。
優紀は、人の悪口は言わねぇし、“人が幸せに成れば良い‼”って考えてる様な女、何だよな‼
優紀自身の事は、二の次でも…。
だから、他人に自分自身の意見を押し付けるお袋でも、優紀は、遣って行けるだろうと思えるんだよな‼
「お袋の押し付けに…だよ⁉」
「う~ん…??
家元夫人…?
私に何か、押し付けてました?」
優紀は、首を傾げながら、俺に、“(俺が)何の事を言って居るのか?”…。
マジで分からねぇらしく、見詰めてきやがる。
ああ~~、ほんとに、物事に鈍感なのか?
気にしねぇ『タチ』なのか?
俺には、分かんねぇが…⁉
首を傾げて、俺を見詰めて来る優紀は、最高に可愛いんだよ‼
凶悪なんだっつーの‼
で、そうこうしている間に、使用人から、夕食の支度が出来たと、部屋に連絡が来た。
俺と優紀は、ダイニングに行くと、親父とお袋が、俺等を待ち詫びて居た。
そして、俺等は、食後に、親父から言われていた。
優紀は、親父の言葉に驚愕してやがる。
「優紀さん、明日が、成人式当日だ。
今日、帰っても、明日には、また、朝早くに此方に来てもらわなくてはいけない。
成らば、今日は、泊まりなさい‼
優紀さんのご両親には、話しは通してある。
だからと言って、優紀さんは、まだ、優紀さんのご両親からお預かりをして居る状態
だ。
総二郎、粗相無き様にしてもらわなくてはいけない。
なので、寝間は、総二郎と優紀さんは、別にしてある。」
俺は、即、反論した。
「何で、俺と優紀が、別の部屋で寝なきゃあ、何ねぇんだ?
俺と優紀の付き合いは、親父達は、納得してんだよな?
俺の部屋で、俺と優紀は寝るから…な⁉
否、一緒のベッドで寝るんだよ‼」
優紀は、驚愕顔で、俺を見詰めていた。
俺は、優紀に念じていた。
“優紀、お前は、何も言うなよ‼”と…。
そして、食事を済ました後、俺は、優紀をそのまま拉致る様に、ダイニングから連れ出し、俺の部屋に連れて行った。
優紀は、頻りに、俺に言う。
「家元と家元夫人が驚愕してらしたけど…⁉
大丈夫ですか?」
「良いだよ‼
優紀は、俺とは、一緒に居たくねぇのかよ⁉」
「………」
俺は、意地悪めいて、優紀に問い掛けた。
だが、優紀は、一切、返答しなかった。
代わりに、俺に、不安めいた…、如何しようかな的な…顔をして、俺を見詰めて来るだけだった。
俺は、そんな優紀が、可愛そうに成って、優紀を引き寄せて、抱き締めた。
そして、不安を取り除く様に、言って遣った。
「もう、親父とお袋も、気付いてるだろう?
俺等が、如何言う仲かは…⁉」
だが、優紀は、俺のその言葉に、顔を上げて、更に、驚愕顔で俺を見ていた。
だから、其の優紀の上目遣いが、“ヤバい‼”って言うんだよ‼
俺と優紀の身長差は、軽く20㎝以上、違ぇんだからよ‼
“優紀の顔が、俺を覗き込む形に成るって、こいつは、知らねぇんじゃねぇのか?”と、俺は思った。
だから、そんな、うるうるの、今にも泣きそうな瞳(め)で、“俺を見て来るな‼”って…言うんだ。
そんな男事情を知らねぇ、優紀に…。
煽られてる俺って…。
洒落に成んねぇわ…⁉
で、親父とお袋になんて言われ様とも、俺の男事情が…。
俺の身体が許さねぇんだから…よ。
まあ、優紀を抱いたには、違いねぇんだけど…よ。
なのに、優紀は、“跡、残さないでぇ~。”とか、“もう、これ以上は、明日に響くから、無理‼”とか、いつも以上に煩くて仕方ねぇ‼
優紀は、いつもの優紀の可愛い声も、封印してやがる‼
まあ、仕方ねぇんだろうけど…よ。
何~か、詰まんねぇんだよな⁉
優紀、成人式後は、覚悟して於けよ‼
で、朝、起きた時には、優紀は、既に、俺の横には居ず、振袖の支度に入って居る様子だった。
朝、目が覚めた時、隣に優紀の姿が無かったので、俺は、焦ったのは、言うまでもねぇ。
誰にも言えねぇがな…。