もしも類とつくしが兄妹だったら…<つかつく> 5.
【花沢つくし 編 5.】
父さんは、母さんに全てを話しした。
母さんは涙を流しながら、話しを聞いていた。
俺は不思議な気分だった。
「あなた、ごめんなさい。」
「何故、君が謝る?」
「………、実は、私が千賀子さんを追い出したの。」
「どういう意味だ?」
「あなたにはお付き合いをしている大切な恋人が居る事を初めから分かっていたの。
分かっていた上で、政略結婚に従ったの。
あなたを愛していたから…。」
「………」
「あなたとの間に、赤ちゃんが授かったと知った時、嬉しくて神様に感謝したの。
それなのに、あなたは千賀子さんとも続いていて、千賀子さんの傍から離れられない
と、知った時、私は嫉妬に狂いそうになったの。」
「………」
「だから(千賀子さんがお人好しと知っていたので)、千賀子さんにあなたの前から姿を
消してって…頼んだの。
その時に、“辞表を社長に渡して”と、頼まれて、辞表を預かったの。
今思えば、多分、辞表を既に、用意していたのかもしれないわね。
まさか、千賀子さんが妊娠していたなんて知らなかったから…。」
私は千賀子から見捨てられた訳では無かったのだ。
妊娠していた千賀子を苦しめていたのは、紛れもなくこの私だったのだ。
私は千賀子から見捨てられたと、自暴自棄になっていただけだったのだ。
「母さん、今でも後悔しているので有れば、つくしに償ったら…。」
「どういう意味?」
「つくしの認知を許して、つくしを花沢の娘として、つくしを花沢で引き取るんだよ。」
「………」
「それが出来なければ、何時まで経っても、お人好しの千賀子さんには顔向け出来ないだ
ろうね、母さんはどうする?」
「類……。」
「………そうね、そうするべきよね。」
その後、父さんとつくしはDNA鑑定の結果、<親子関係…99.9%有り>と、認証され、つくしは実子として花沢家に認知される事になった。
正式につくしは俺の妹となった。
つくしが入院している病院に家族で見舞いに行き、記憶が無いつくしに、つくしは花沢家の娘であると、説明し、つくしは受け入れてくれた。
母さんは、つくしと接するうちに、つくしという人間性に惚れ込み、今では、母さんは血の繋がった俺よりもつくしと本当の親子になっている。
嫉妬している訳では無いが、変な気分だ。
母さんとつくしが受け入れ合ってくれた事でF2&T3には事の経緯を説明し、つくしが俺の妹である事を話した。
つくしの退院後、花沢邸にF2&T3が集まり、つくしと友人関係である事を説明し、仲間として、受け入れてもらえるよう、つくしを促した。