出会ってしまった…<つかつく> 21.
<司side>
俺とつくしは、3ヶ月というお試し期間を経て、漸く、本当の恋人同士に成れた。
だから、何としても、取り敢えず、“今日、決めないと…‼”と、俺は、思って居た。
で、言ってみた。
「つくし、今日、此処(メープルの俺のキープしている部屋)に泊まって行くよな?」
顔を赤らめて、頷いてくれたつくし。
そして、今日から、俺とつくしは、恋人としての夜が始まった。
そして、この後、俺とつくしは、同棲する事に成った。
其れからは、プロジェクトも、順調の今。
プライベート共々、この上ない幸せ振りを満喫して居る俺だった。
俺は、思って居た。
あの時…。
そう、入社式のあの日…。
牧野と巡り会って無かったら…?
あの時、1Fエントランスで俺と牧野がぶつかって無かったら…?
多分、あの後、俺は、NYに戻って、また、何時(いつ)もの、『何も変哲もない』生活に戻っていた事だろう。
もし、つくしが、あの会長を助けて居なければ…?
此のプロジェクトは、俺とつくしの仕事じゃ無かった筈だ。
『何も変哲もない』俺の生活が、つくしと巡り会った事で、生き生きとした、血の通った生活が出来る様に成ったんだ。
もう、つくしを離せねぇよ‼
俺は、この出会いに感謝した。
出会うべくして出会った、つくしとの出会いに…。
俺とつくしとの出会いに、『出会ってしまった…。』事に感謝した。
つくしも、俺と同じ気持ちなら、“嬉しい‼”がな。
で、其れから、数日後…。
俺は、F3に報告を兼ねて、メープルのラウンジのVIPルームに集合する様に、連絡を入れた。
F3は、そろそろ連絡が来ると踏んで居たらしい。
何だよ、其れ。
あきらが、口火を切って来た。
「司、何だよ?
すっきりした顔して…?」
総二郎まで、茶化して来やがる。
「仕事も、プライベートも充実してっと、男振りが上がるってか?」
類は、寝転んだままだった。
俺は、あきらと総二郎を睨んで遣った。
だが、ニヤ気顔で睨み付けても、何も効果無しなのか?
あきらと総二郎は、飄々としてやがる。
「うるっせぇ~。」
俺は、こう言うのが、やっとだった。
だが、今まで、『女嫌い』の俺を、心配してくれていたF3からは、言われた。
真剣な顔付きで…。
「「「やっと、司も、男に成ったんだ‼
ほっとした‼」」」
と、言いやがる。
あきら何ざ…酷ぇもんだ。
「猛獣遣いから、解放だ‼」
其れって、如何いう意味だよ?
そんなに俺は、お前等 F3にとって、『厄介な男』だったんかよ?
何か、いい加減、落ち込むわ‼
でも、今日は、こいつ等 F3に何を言われても、イラ付かねぇ?
こんな日は、今まで、俺に有ったか?
無かったよな?
類からは、ぼそっと、言われた。
「司、良かったね?
牧野を幸せにして遣ってよ‼
出来たら、俺が幸せにして遣りたかったけど…ね。」
そうだったんだよな?
類は、つくしに惚れてたんだよな?
類の前で、浮かれ過ぎて悪かったな。
「類…?
分~ってる‼
俺に任せとけ‼
ごめんな、類?」
類は、のこっと、身体を起こして、俺に言い返して来た。
「何、司…?
俺に対して、優越感たっぷり…?
まあ、良いけどさ。
頼んだよ‼」
そう言って、類は、また、ソファに寝転んだ。
俺だけじゃなく、あきらも、総二郎も、何も、発しなく成った。
ほんと、浮かれ過ぎてた。
“悪かったな、類っ‼”と、俺は、心の中で、再度、類に詫びていた。