好きなのに…(続編)<総優> 13.
【恋人 編】
F4の集まり以降も、全く優紀と会えずにいた総二郎は、優紀に会えない事が、もう限界らしい。
また、優紀欠乏症が出そうになっていた。
総二郎は優紀に許しを得る為、あきらに連絡しようとしていた。
桜子から優紀に連絡してくれるよう頼む為、あきらにTELを掛けた。
「あきら、悪ぃ。
優紀と話ししたいんだ。
桜子を通して、優紀と連絡を取ってもらえねぇか?」
あきらは総二郎の限界を観た。
「まあ、構わねぇけど、優紀ちゃんが了承するとは限らないだろ?」
「ああ、分かってる。
このまま、別れる事になるのだけは嫌なんだ。
優紀と別れたくねぇんだ。」
「………」
総二郎、お前必死だな。
「頼む、あきら。
頼まれてくれねぇか?」
「………」
あきらは分かってて、総二郎に確認した。
「優紀ちゃん、西門邸にも来てねぇのか?」
「ああ。
お袋と、何か企んでやがんだ。」
「………」
「稽古には来ると思って、待ち構えていたんだけど…。
来やしねぇし…、参ったわ。」
総二郎、お前、相当、参ってんな。
「総二郎、お前、また、優紀ちゃん欠乏症が出てんじゃねぇのか?」
「優紀に会えねぇ事が限界で辛いんだわ。
知らず知らずのうちに、優紀に愛されていると、自信が出て来て、横柄になってたのか
もな。
反省してるんだわ。」
あきらは総二郎にエールを送る意味で言って遣った。
「まあ、反省してるなら、優紀ちゃんも分かってくれるんじゃねぇの?」
「それなら良いんだけどよ。
優紀、意外と、頑固なんだよな。
一度、決めた事は、梃子でも動かねぇんだわ。」
「………。
まあ、取り敢えず、連絡して遣るから、様子を見ろよ。」
総二郎はあきらの言葉に、一応、“ほっ”と、して言った。
「あきら、頼むな。
サンキューな‼」
「おお‼」
あきらは、“総二郎はほんと、懲りねぇな。”と、思っていた。