従兄妹物語…<つかつく>・<総優> 10.
元々、優紀は総二郎に憧れを抱いていた。
まさか、それが、今日、『生』総二郎に会う事に成るとは想像もしていなかった。
総二郎は、総二郎で、席を立った優紀の後ろ姿を見た時、優紀のミニスカートから見える太腿から足首までのスラっとした細い足が総二郎好みでドキッとしてしまっていたのだ。
また、優紀のプロポーションの良さが目に焼き付いて離れない事に総二郎は、戸惑いを隠せないでいた。
つくしは時間も時間だしと思い、優紀に声を掛けた。
「優紀、送って行くよ。」
「良いよ⤴。
今なら、まだ、電車も有るし…⤴。」
総二郎が待ってましたとばかりに優紀に声を掛けた。
「こんな時間に一人で帰すのは忍びねぇし、俺が送って行くよ。」
「ダメ‼
総兄じゃあ、『送りオオカミ』になってしまうでしょ?」
「じゃあ、つくしも着いてくれば良いだろ‼」
つくしが折れた形と成った。
「じゃあ、良いよ⤴‼
優紀、総兄の車で送ってもらおう‼」
本人ではなく、総二郎とつくしの二人でどんどん話しが決まっていく事に、優紀は驚愕していた。
「………えっ??」
つくしはマイペースで有る。
「良いから、良いから‼」
それで、総二郎は、優紀の自宅の場所をゲットしたのである。
総二郎は、
『まだまだ、つくしは甘ぇんだよ⤴‼』
『全く、俺(総二郎)の事を理解していねぇ妹分で良かった、
助かった‼』
と、心の底から、そう思ったので有った。
それからは、偶然を装うって、度々、優紀を待ち伏せして、総二郎自身に気を向かせようと、躍起になっていた。
つくしにバレるのも時間の問題だろうけど…な⤵。
そんな時だった。
待ち伏せをしていた時に、優紀が変な男共に絡まれていた。
総二郎は、助けに入り、事無きを得たが、優紀は脅えて震えが止まらないようで、号泣し始めた。
総二郎は、優紀を暫く抱き締めて、落ち着きを取り戻して遣った。
そうしてから、何故か、総二郎は、無意識に優紀を車に乗せて、ホテルに連れて来てしまった。
やはり、遊び人の成せる業なのか…?
つくしにバレれば、大変になるのだが…。
優紀をホテルに連れて来てしまった罪悪感からか、総二郎は、優紀に甘い言葉を口走ってしまった。
流石、総二郎の甘い言葉は『女たらし』と、言われる所以だろう。
「優紀ちゃん、今日の嫌な思い出を良い思い出に塗り替えないか?
俺が塗り替える為に協力するけど…?」
優紀には意味が分からなかった。
「如何やって、塗り替えるんですか?」
総二郎は、優紀を壁側に連れて行き、所謂、『壁ドン』をして、総二郎は、優紀の耳元に甘く囁き出した。
「kissして良いか…?」
優紀は一瞬、何を言われているのか意味が分からないでいた。
「えっ??」
総二郎は、尚も懇願して言った。
「ダメか?
こんな、『女たらし』の称号を持ってる俺じゃあ?
俺が優紀ちゃんに一目惚れしたって言ったら、優紀ちゃんは如何する?
こんな俺の事、引くか?」
「………」
優紀は如何答えたら良いのか、分からないでいた。
「もう一度、聞く‼
kissして良いか?」
優紀は吃驚していたので答える事が出来ず、首だけで頷いた。
優紀はファーストキスもまだだった為、総二郎のkissに腰砕けになってしまい、総二郎にお姫様抱っこをされ、ベッドに連れて行かれ、そのまま、総二郎と優紀は一線を越えてしまった。
優紀は全ての『初めて』を総二郎に捧げた事に成る。
総二郎は優紀の甘い毒牙に引っ掛かった様で、見事に優紀にのめり込んでしまった。
総二郎は思っていた。
『優紀が俺(総二郎)の毒牙に引っ掛かったのではなく、俺(総二郎)が優紀の毒牙に引っ掛かったのだ。』と…。
それからの総二郎と優紀は恋人同士として付き合い、総二郎は、優紀一筋に成っていった。
総二郎は、『女たらし』返上と成ったので有る。
家元夫人の思い通りに『コト』が進行していった。