〈此の二次小説『Once again~再び~ 37.』は、『2月14日』の『St Valentine's Day』
について、此方サイドの勝手な都合に寄り、『2月14日』よりも先駆けて綴って折りま
す。
了承の程、宜しくお願い致します。〉
2月14日…St Valentine's Day
【『Once again~再び~ 35.』のつくしの会話の部分 と 『Once again~再び~
35.』のあきらの『鬼役』の件〈PS.〉 と 『Once again~再び~ 36.』の最後の
フレーズ(=くだり)のエピローグ】
【『2月14日』の『St Valentine's Day』のお話し】
〈総優〉
実の事を言うと、優紀には、『夢』…みたいな『モノ』が有ったのだ。
其れは、どんな『モノ』かと言えば…。
そうなのだった。
此れ迄の優紀自身、中学生の頃からの幼馴染で親友で在る つくしにさえも話しした事が無いのだが、密かに、『夢』を抱いて居た時期が有ったのだ。
“将来的に、もしも、私が結婚出来る日が来るので在れば、結婚式は『2月14日』が良いなぁ
~。”と…。
実は、自分自身がそんな『夢』を抱いて居た時期が有った事を、何気に総二郎に話ししてしまった優紀は、そんな総二郎に対して驚愕して居たのだ。
だからだったのだろう。
“如何して、そんな話しを何気にだろうと、何故、総二郎さんに話ししてしまったのか?”
此の時の優紀は、そんな自分自身にも困惑して居た程…だったのだ。
其れは、何故かと言うと…。
其の後の総二郎の態度 と 顔の表情を見た時の優紀は驚愕して居たのだが、自分自身にも困惑して居たという訳…だったのだ。
何故、優紀の中で、こう言う状況に成って居たのかと言うと…。
実は、其れは、総二郎 と 優紀が入籍して直ぐの頃に、総二郎から訊かれて居た事が有ったから…だったのだ。
だからこそ、此の時の優紀は、そんな総二郎に何気に話ししてしまったのかも知れない。
其の時の総二郎が、【優紀に何と訊いて来たのか?】と言えば…。
「優紀には『夢』ってモンが在るのか?」…だったのだ。
そして、そんな風に総二郎から訊かれてしまった此の時の優紀は、何の意図も無く、素直な気持ちのままに、本当に何気に総二郎に話ししてしまって居たのだ。
「実は、中学生の頃からの幼馴染で親友で在る つくしにさえも話しした事が無い『夢』
を、私は、密かに、抱いて居た時期が有ったんです。
高校生に成った頃の事…だったんですけど…。
2月号の或る雑誌に『St Valentine's Day』特集…みたいな物が特集されているのを見た時
に、“良いなぁ~。”と、思って見て居ました。
“将来的に、もしも、自分自身が結婚出来るのなら、『2月14日』の『St Valentine's Day』
が良いなぁ~。”って、密かに、思ってました。
でも、何時(いつ)しか其れさえも諦める様に成りました。
私は、『夢』を抱いてはいけない様な気がして…。」と…。
だが、総二郎は、優紀の最後のフレーズ(=くだり)を聞いて、嫌な予感しかし無い筈なのに、訊いて置かなければ成らない様な気がして訊いてしまって居たのだった。
「優紀が『夢』を諦めた理由は何だ⁉」と…。
其処で、総二郎からそんな風に訊かれた此の時の優紀は、考え倦ねて(あぐねて)居た程…だったのだ。
何故なら…。
此の時の優紀は、そんな風に総二郎から訊かれた事で、ハッと成り、気が付いたからこそ、考え倦ねて(あぐねて)居たという訳…だったのだ。
云わば…。
此の時点に於いての優紀は、何故、考え倦ねて(あぐねて)居たのかと言えば…。
自分自身が言ってしまったフレーズ(=くだり)に困惑し、更には、自分自身の発言に後悔するしか無かったから…だったのだ。
“私は、総二郎さんに何て事を言ってしまったのだろうか?
総二郎さんを傷付けてしまう様な話なのに…。”と、考えてしまう程に…。
だが、総二郎の態度 と 顔の表情を見て居て驚愕しただけでは無く、更には、“【時既に遅し】とは、こう言う時に言う言葉なのだろう。”と、優紀が後悔してしまう程…だったのだ。
其れでも、此の時の優紀は、総二郎の顔を見る事が出来ず、暫く、総二郎の様子を窺うかの如く、黙ったまま…だったのだ。
しかし乍ら、其れでも、尚、黙ったままの優紀に、等々、痺れを切らせたかの様に、総二郎は、そんな優紀に訊き始めるのだった。
「優紀…黙ってねぇで、ちゃんと、俺に話しして視ろ!」と…。
勿論、此の時の総二郎は、決して、怒って居るのでは無く、優紀の様子を見て居て、不安…だったのだ。
自身が考えて居る事が的中して居る様で…。
其処で、優紀は、総二郎の様子を見て居た事で考え直すのだった。
“黙ったままで居ても、きっと、総二郎さんからは、後々追及され続けるだけだろうし…。
言ってしまった言葉は取り返す事が出来無いし…。
覚悟を決めて、総二郎さんにお話しするしか無い‼”と…。
だからだったのかも知れない。
そんな総二郎に対して、漸く、言う覚悟が出来た優紀は、前置きを述べ乍らも、総二郎に話しし始めるのだった。
「今からお話ししますが、怒らずに聞いて下さいね。
お願い致します。」と、先ずは、断りを入れるかの如く…。
だからだったのだろう。
優紀にそう言われてしまえば、怒る事が出来無い事を悟った此の時の総二郎は、こう返答するしか無かったのだった。
「ああ、分かった。」と…。
だからだったのだ。
此の時の優紀は、其れでも、言い辛そうに話しし始めるのだった。
「私は、高校3年生に進級するかし無いか位の頃に、妊娠に気が付きました。
真紀を授かった事は嬉しかった筈なのに、そんな風に浮かれて居る時間も暇も無くて、当
時は必死でした。
当然の事ですが、出産も初めて成らば、子育ても初めてで、子育て経験者でも在る三条家
の使用人の方々に助けてもらって、やっと何とか成り立って居るって感じでした。
だからこそ、其の後の私は、『St Valentine's Day』自体、考えて居る場合では無く、勿
論、そんな暇さえ在りませんでした。
自分自身の気持ちに余裕が出て来たのは総二郎さんと入籍してからの様に思います。
総二郎さんだけじゃ無く、お義父様 と お義母様が傍に居て下さり、真紀を預かって下
さるからだと思いますが…。」と…。
だからだったのだろう。
此の時の総二郎は、自分自身の考えて居た事が的中した事で、密かに、独り言ちて(ひとりごちて)居たのだった。
“やっぱり…な。”と…。
だが、此の時の総二郎にとってすれば、優紀との約束故、怒る事は出来無いのだが、其れでも、優紀の最後のフレーズ(=くだり)には、少々、悪態を吐き(つき)たく成る程…だったのだ。
だからこそ、此の時の総二郎は、優紀に言ってしまったのかも知れない。
「そうかよ!
優紀にとっては、親父 と お袋さえ傍に居てくれれば良いし、真紀を預かってもらえた
ら、其れで良いってか?
其処に、俺は、居ねぇのか?
俺は、如何でも良いのか?
俺は、真紀の父親だぞ‼」と…。
実の事を言うと、此の時の優紀は、総二郎のそんな悪態を聞いて居て、更に、驚愕でしか無かったのだ。
だからこそ、そんな優紀は、密かに、独り言ちて(ひとりごちて)居たのだろう。
“えっ??
総二郎さんが怒って居るのは…其処⁉
言った本人の私が言うのは何々ですが…。
総二郎さんの怒る所が違う様に思うのですが…。”と…。
だが、其れでも、此の時の優紀は、更に、独り言ちる(ひとりごちる)のだった。
“其れでも、ちゃんと正して置かないとヤバい事に成ると思う。”と…。
だからだったのだ。
此の時の優紀は、総二郎に訂正とばかりに伝えるのだった。
「いいえ、そう言う意味では有りません。
総二郎さんだけじゃ無く、お義父様 と お義母様が傍に居て下さり、安心して過ごせて
居ますし、感謝して居ますし、其れに、有り難いと思って居るんです。
そう言う意味で、総二郎さんにお話ししました。」と…。
「………」
だからだったのだろう。
此の時の総二郎は、其れ以上、返答するべき言葉を失う程…だったのだ。
何故なら…。
本来、総二郎が優紀に言いたかった話は、本当は其の事では無かったのだ。
云わば…。
此の時の総二郎が、本来、優紀に言いたかった言葉は、「ごめんな。」と、言う言葉だけでも良かった程…だったのだ。
だが、其の言葉…「ごめんな。」と、優紀に言ってしまえば、きっと、優紀を後悔させる事に成る。
だからこそ、此の時の総二郎は、優紀に「ごめんな。」と、言えずに、態と、誤魔化す様な話しを優紀にし乍らも、唯、たった一人で、自分自身の過去を後悔して居たのだった。
だからだったのかも知れない。
此れ迄の総二郎 と 優紀は、何年も疎遠に成って居たのだから、当然と言えば当然なのだが、其れでも、総二郎自身の心の中では、優紀がそんな『夢』を抱いて居た時期が有った等と思いも寄らなかったのだ。
だからだったのだ。
そんな優紀の話しを聞いた後の総二郎は、自身の両親で在る 西門流 家元 と 家元夫人をも巻き込む事にしたのだった。
何故なら…。
西門流 次期家元の立場で言うと、結婚式の日取りは、自身の両親で在る 西門流 家元 と 家元夫人にお伺いを立てなくてはいけないから…だったのだ。
云わば…。
西門流 次期家元の立場からすれば、勝手に決められないという訳…だったのだ。
だからこそ、此の時の総二郎は、優紀の夫として、自身の両親で在る 西門流 家元 と 家元夫人をも巻き込んで迄、優紀の『夢』を叶えて遣りたかったのだ。
そして、総二郎は、優紀の『夢』の話を自身の両親で在る 西門流 家元 と 家元夫人に話しして聞かせ、納得させる事に成功して、総二郎 と 優紀の結婚式は、『2月14日』の『St Valentine's Day』の日と成ったのだった。
PS.
と言う訳で、実は、『2月14日』の『St Valentine's Day』の総二郎 と 優紀の結婚式の日に発覚した出来事が有ったのだ。
其れは、優紀の妊娠…だったのだ。
そして、優紀が妊娠して居る事に気が付いたのは言う迄も無く、其れは、当の本人では無く、桜子…だったのだ。
だからだったのかも知れない。
優紀が妊娠して居る事に気が付いた桜子は独り言ちて(ひとりごちて)居たのだった。
“先輩もそうでしたけど…。
優紀さん迄とは思いませんでしたわ。
先輩なら、もう既に慣れましたけど、優紀さん迄、鈍感…だったとは…。
先輩も、優紀さんも呆れてものも言えないですわ。”と…。
だが、其れでも、此の時の桜子は、優紀が2人目を妊娠した事自体は、かなり嬉しかったのだ。
だが、此の時点に於いての桜子は、其の後、気が付いてしまったのだ。
だからだったのかも知れない。
此の時の桜子は、思わず、独り言ちて(ひとりごちて)しまって居たのだろう。
“優紀さんの妊娠週数からして視れば…。
もしかし無くても、優紀さんが妊娠したで在ろう時期は、西門さんと再会為さって直ぐの
頃じゃ在りませんコト!
だとしたら、吃驚…何ですけど…。
其れにしても、早く在りませんか?
まぁ~、西門さんらし過ぎて、笑えますけど…。”と…。
だからだったのだろう。
其の後の桜子は、此の話を知った時点で、しっかりと、あきらに伝えて置いたのだ。
“こんなに楽しい事は無いですわ!”と、ほくそ笑み乍ら…。
何故なら…。
あの例の『2月3日』の『節分』の『鬼役』の件で、あきらは、桜子にお願いして置いた事が有ったのだ。
「言い難い話…何だけど…よ。
もしも、あいつ等の話で、何か面白い話が有ったら、俺に教えてくれねぇか?
あいつ等を懲らしめて遣りてぇんだわ‼
桜子…宜しく頼むな!」と…。
だからこそ、此の時の桜子は、あきらからの申し出通りに、『総二郎』の件をあきらに伝えて置いたという訳…だったのだ。
〈此の二次小説『Once again~再び~ 37.』は、元々、前回、投稿分の『Once again
~再び~ 36.』と合わせて綴って折りました。
ですが、綴っていく内に、かなり長く成る事が予想出来たので、此の前に投稿して居た
『Once again~再び~ 36.』と二話に分けて投稿する事に致しました。
と言う訳で、『Once again~再び~ 37.』は、其の為に、かなり長く成りましたが、
了承の程、宜しくお願い致します。〉