忘れていた気持ち…<つかつく> 6.
<つくしside>
私は、あいつが、私に近付いて来てる事を、気付かずに居た。
背後に居るあいつに気付いて、“はっ”と、してしまった。
ほんと、心臓に悪い。
いつまでも、心臓の音が、ドキドキ言って居た。
あいつに聞こえたらと思うと、気が気じゃ無かった。
で、そう思って居た時、あいつに声を掛けられた。
「久し振りだな‼
元気だったか?」
「………」
何と、答えたら良いのだろうか?
分からずに居た。
そうしたら、あいつは、尚も、話しを続けて来た。
「此れからは、俺の世話役な‼
聞いてるよな?」
私は、撤回してもらおうと、返事をした。
態と、関西弁を使って遣った。
イントネーションまで、正確に付けて…。
「其のお話し…の事ですが。
撤回してもろうても良かったですか?」
「撤回しねぇ‼」
「其れって、無理とちゃいますか?」
「何故だ‼」
私は、怪訝な顔付きに成って居たと、思う。
「其れって、職権乱用ちゃいますか?」
あいつは、一瞬で、顔付きが変わった。
「お前なぁ~。
俺は、お前を取り戻す為に、NYで一人、頑張って、やっと、日本に帰国したんだ‼
撤回はしねぇ‼
ったりめぇだろ?
少しは、俺の気持ちを分かれよ?」
私は、タメ口を叩く程、頭に来ていた。
「何を言うてんの?
ええ加減にしてやぁ~。
実際、別れを切り出して来たんは、あんたの方からとちゃうの?
私は、大阪で、一人、頑張ってるんやから…。
もう、放っと(ほっと)いて~。」
いう事だけ、言ったから、会議室を出ようと思って居た所に、あいつの腕が、私の腕を捉えて来た。
<司side>
俺は、あいつに言われた言葉より、あいつの話しして居る関西弁に萌えていた。
滅茶苦茶、可愛いじゃねぇか‼
だからだろうか?
堪らず、あいつの腕を捉えていた。
そして、あいつの関西弁を、もっともっと、聞きてぇと思い、あいつに話しする様に促していた俺が其処に居た。
「関西弁、喋ってんだな‼」
あいつは、俺の顔を見ねぇで、話しして来た。
「私には、コテコテな関西弁を喋る大学時代からの連れ(*)が居る(おる)ので…。
ネイティブに成ってしもたみたいです。
まあ、言うなれば…。
“うつってしもた‼”って、処(とこ)でしょうか?」
ほんと、あいつの関西弁には、もう、我慢が出来ねぇわ‼
そう思って居た時、俺は、無意識に、あいつを俺に引き寄せて、抱き締めていた。
其処に、あいつは、俺をもっと、煽る言葉を言って来やがった。
「嫌や~、離してぇ~‼」
だから、俺は、もっと、関西弁を喋らそうと、kissをあいつに施していた。
お互いの唇が離れた瞬間、あいつは、俺を制止する言葉を言って来た。
「あかんてぇ~。
そんな事、せんといてぇ~‼
うち等は、もう、別れてんやからぁ~。」
そう言って、俺の足を踏ん付けて、俺が、痛がっている間に逃げようとして、あいつは、身体事、振り向いた瞬間に、足を取られてこけそうに成っていた。
だから、俺は、素早く、あいつの腕を取って、あいつが、コケる前に助けて遣った。
そしたら、俺が、尚も、萌える言葉を言い出した。
「やっぱり、道明寺も、男の子やな‼
ありがと‼」
ダメだ…。
俺、いつ、萌え死んでも良い位ぇだわ‼
俺は、この時、“ぜってぇ、こいつをもう一度、取り戻す‼”と、誓っていた。
<つくしside>
私は、あいつの艶っぽい顔付きが、気に成った。
鼻の下が伸びて居ると言うのか…?
ほんと、私は、困ってしまっていた。
何故なら、久々に、あいつに抱き締められて、私は…?
あいつへの『忘れていた気持ち』を、完全に思い出してしまっていた。
如何しよう?
もう、如何しようも無いのかも…?
<*連れ➡友達・友人の事>