NYで会えるなら…<つかつく> 5.
<クラウンCEOとの会話は日本語表記ですが、英語で会話していると見なして、ご覧下さいませ。>
司は、父親で有る道明寺会長に相談していた。
「頼む親父。
俺はあいつ以外、受け入れられない。
頼む、あいつと…。
親父、頼むよ‼」
司は、初めてではないだろうか、と思われる程、高慢な男が、父親だとしても、頭を下げて、頼み事をして来たのだ。
つくしに会っただけで、司が大人に見える。
つくしが司にとってどんな存在か、これで分かったような気がした司の父親で有る道明寺会長で有った。
初めて見る司に驚愕しながらも、道明寺会長は司の願いを聞いて遣ろうと思ったので有った。
後日、道明寺会長は、クラウンCEOにアポを取り、話しをした。
「司は、ミッシェルとの付き合いを熱望しています。
司とミッシェルは、日本時代、恋人同士でした。
二人の付き合いを、許して遣ってもらえませんか?」
「ミッシェルと、話しさせてもらえますか?
結論は、それからという事で…。」
結論は、後日と言う事になった。
クラウンCEOとつくしは、話しをしていた。
「ミッシェル、君は、司君の事をどう思っている?」
「如何いう事でしょうか?」
「今でも好きかと訊いている。」
「好きだと言えば、如何なりますか?」
「そうか、本心か?」
「だとすれば、如何なさいますか?」
「否、考えあぐねている。」
つくしの本心は今でも司が好きだった。
でも、司に本心を言えば、折角の決心が鈍ってしまうと、自分自身の気持ちを封印する事に決めたのだ。
だが、父親に訊かれれば、本心を隠し切れない自分が其処に居たのだ。
多分、父親には、つくしの気持ちはバレているだろう。
父親がどう判断するか、気になってしまうつくしで有った。
一方、司は、
『今後のパーティーのパートナーはつくしで無ければ、パーティーのパートナーは受けない』と、道明寺会長に宣言したので有った。
司の父親で有る道明寺会長とて、司に不機嫌に成られては、道明寺HDの品位を損ない兼ねないので、危ない橋を渡るつもりは毛頭なかった。
しかし、相手が有っての事。
クラウンCEOに再度、アポを取り付け、何とか、パートナーの打診を了承してもらえた。
クラウンCEOも鬼ではない。
つくしの気持ちを知ってしまっては、認めざるを得ないと理解しての事だった。
今後、司のパーティーでのパートナーはつくしとなった。
また、この事が切っ掛けで、司とつくしの噂が憶測を呼ぶ事になったのは言うまでもない。