従兄妹物語…<つかつく>・<総優> 14.
つくしは、半年程前、高校の中庭で桜子に巡り会っていた。
桜子は、ドイツから帰国して来たばかりで、幼稚舎の頃に通園していた英徳学園で有る英徳高校に編入して来たので有った。
桜子は、幼稚舎の頃、容姿の事で司からバッシングを受けた事が有った。
司に好意を抱いていた桜子はショックな余り、ドイツに渡独して、密かに整形手術をしたので有る。
桜子は、唯、司に、“綺麗に成った。”と、振り向いて欲しくて…。
唯、それだけ…だった。
だが、司が振り向いた女性は、家系は三条家が見劣りする程では有るが、つくし自体、普通の女性だった。
つくしは、『綺麗』と言う寄り、『可愛い』が似合う女性だった。
道明寺家と牧野家(+西門家)の両家も司とつくしが交際する事を望んでいると成ると、桜子とて割って間に入るのは難しいと悟った。
桜子は、責めて、“司とお近付きに慣れたら…。”と、思っていた。
そして、桜子は、“願わくば…と、成れば儲けもん。”と、考えていたので有る。
それは、つくしが、司に気が無いように見えるからで有った。
だが、つくしと接しているうちに、つくしの人と成りに桜子は惚れ込んでしまい、司より、『つくし信者』に成ってしまったので有った。
またしても、『つくし信者=人たらし』が増えてしまったので有る。
つくしと桜子が中庭で巡り合ったのも、そんな日の偶然が重なったからで有った。
偶然に目にしてしまったと言うべきか…。
つくしの同級生で有るリリーズと名乗っている3人組が、桜子をバッシングしていたので有った。
それを見掛けて、素通り出来る筈ないつくしは、3人組のリリーズを諫めたので有った。
「あなた達ねぇ、下級生に何やってんのよぅ~?
恥を知りなさい‼」
リリーズ達も、“自分達は悪くない。”とでもいうように、反撃して来る。
「だって、この子、美人とか言われて、良い気に成ってるみたいなんですのよ‼
実は、『整形』何ですけど…。(苦笑)」
つくしは、リリーズを荒笑うかのように諫めた。
「お金で美を追求して何が悪いのよ‼
迷惑掛けてないなら、何に遣っても人の勝手でしょ、自分のお金なんだから…‼
あなた達だって、男性に貢がせて、ブランド物を買って貰ってるでしょ?
迷惑掛けてるって言うなら、あなた達の方が、よっぽど、人に迷惑掛けてるでしょ‼
反省すれば…⤴。」
つくしがリリーズを成敗したので有った。
それからは、つくしの目を盗んでは、度々、リリーズは陰で桜子を突く様に成った。
つくしは総二郎の従兄妹と言う事も有り、また、司の許嫁と言う事も有り、F4ラウンジの出入りを許されていた。
その為、つくしと一緒に居る桜子にも許可が出たので有った。
何故なら、今の桜子は、F4よりつくしであったからで有る。
その為、桜子は女子生徒からバッシングを受ける対象に成っていたので有る。
しかも、女子生徒はやっかみから陰で、噂し始めた。
「桜子は牧野さんに近付く事で、“F4に近付く事が出来る。”と、牧野さんに『よいしょ』
をしているだけだ。」
「牧野さんの人の良さを利用しようとしている。」
「牧野さんは騙されている。」
と、触れ回り出した。
いつも、つくしが一緒の事が多いので、無闇に近付いては来ないが…。
もしくは、後の報復を恐れているのかも知れないが…。
兎に角、桜子は、つくしに守られていた。