従兄妹物語…<つかつく>・<総優> 15.
桜子は、つくしにとって、『美のカリスマ・恋のカリスマ』だった。
つくしは桜子に教えを乞うとしていた。
最近の司の遠慮の無さに加えて、つくしが相手にしない時に、時折見せる、
『寂しそうな顔・辛そうな顔』がつくしを苦しめている事につくし自身が気付いたと、桜子に相談したので有る。
桜子は、溜息しか出なかった。
“どんだけですか、先輩?
鈍感も大概にしないと、罪に成りますよ‼”と、桜子は、言いたかったので有る。
実際は、言えないので有るが…⤵。
“こんな人に、私は負けたのかと思うと、笑けてくる⤵。”と、桜子は、失笑気味であった。
つくしは、首を傾げるだけだったが…。
「先輩、どんだけですか?
何故、ご自身の気持ちが分からないんですか?
ご自身の気持ちを私に相談して如何するんですか?」
つくしは、“分からないから相談してるんですが…。”と、首を傾げていた。
「えっ??
私の気持ちって?」
先輩、鈍感にも程がありますよ⤵。
桜子は、泣けて来そうに成っていた。
反対に、司が気の毒で有った。
「先輩?
胸が苦しくなるんですよね?
それって、道明寺さんの事、意識しているからですよね?」
「えっ??
そうねの?
やっぱり、私って…、そうなの?」
桜子は、『鈍感つくし』に降参で有る。
「ああ、もう嫌…。」
心の声が、桜子の人生に於いて、初めて口から言葉として出てしまった。
“何で、私はこの人に負けてんのよぅ~⤵。”と、言いたい心境の桜子だった。
「先輩、これ以上は、ご自身で気付かなければ意味が有りませんからね⤵。
分かってますぅ~?」
つくしは、分かったような分からないような複雑だったが、桜子の様子を見ていて、返事して於いた。
「う~ん、分かったぁ~⤵。」
つくしが、本当に、分かったのか、不安に成る桜子だった。
桜子は、自分の置かれている立場を理解しているが、それでも、つくしの鈍感さは理解不能の域に達していた。
“先輩、人に気付かせてもらうものじゃないんですよ、恋っていうのは…。
自分自身で気付いて下さい‼”
と、桜子は、エールにも似た心の声を出しそうに成っていた。