もう一度、取り戻す…<つかつく> 4.
つくしが道明寺HDに出向して居る事が司にバレたのは…。
ある日の事だった。
司が日本に帰国して居ると聞いたあきらが司にTELを入れて来た。
「よう、司、日本に帰って来たんだろ?
何年振りだぁ…、8年振りだよな?
久し振りにF4で飲まねぇか?」
まあ、飲む必要はねぇが、久し振りだしな、“会うか…。”って事で、司は、西田に伝えて、20時で上がる事にした。
あきらが、声を掛けて来た。
「よう、司、先に遣っているぞ‼」
「ああ。」
総二郎が不意に言い出した。
「司、牧野が道明寺HDで働いているらしいな?」
「はぁ~??
如何言う事だよ?」
「はぁ?
俺が聞いてるんだけどな…⤵。」
「否、俺は聞いてねぇ⤵。」
「優紀が言うにはよ、半年位前から、牧野が道明寺HDで働いてるらしいぞ‼」
「優紀?」
類が、“ああ…⤵。”って、思い出した。
「司は知らないんじゃない?
総二郎と松岡が付き合ってる事…?」
総二郎も思い出した。
「そうか?
司がNYに渡米した後か、俺と優紀が付き合い出したのは…⤴。
優紀は俺の彼女‼
優紀は牧野の親友で、高校の頃、牧野と一緒に団子屋でバイトしてた子。
カナダにも一緒に旅行に行ってるんだけどな…⤴。」
司は思い出していた、つくしと一緒に居た優紀の事を…。
「ああ、思い出したわ。
余り目立たない子だったよな?
へぇ~、総二郎、あの子と付き合ってんのか?」
「ああ、優紀と付き合い出して、5年に成るか…⤵。
俺は、優紀以外考えられねぇから、“早く結婚してぇ。”って、何回も言うんだけど
な…。
牧野が幸せに成らねぇなら、自分もまだ、“結婚出来ねぇ。”って、言いやがんだよ⤵。
早く、牧野を司の者にしろよ‼
じゃねぇと、俺の幸せはまだねぇらしいからよ(笑)⤵。」
“何だよそれ?”と、言いたい司だったが、つくしが道明寺HDで働いている事が本当なら、寄りを戻すつもりで居るので、口を慎んだ。
あきらが話し出した。
「因みに、俺の彼女は桜子‼」
「はぁ、三条か?」
「ああ。
総二郎から遅れて1年後に付き合い出したから、もう直ぐで4年に成るか。」
「そうなのか。
じゃあ、類は?
まさかとは思うが…、そうじゃねぇよな?」
類は、“出た、独占欲‼”と、思っていた。
「違うよ‼
牧野とは4年は会って無いし…⤵。
付き合ってるって、言えるのか如何か分からないけど…⤵。
俺がフランス支社に出張に行った時、離婚してた静と再会して、それからは、TELとか
LINEとかで遣り取りしてるよ⤴。
俺がフランス支社に出張する時は、静と会ってるし…ねぇ⤴。」
司はあから様に、“ほっ”とした顔をしていた。
そして、楓が帰国して帰って来た際、楓に会って、つくしの事を確認した。
で、つくしが道明寺HD 日本支社で、本当に働いて居る事が分かった。
楓の了承を得れたので、司は、つくしに向かう事を決めた。
司は、誓った。
『ぜってぇ、つくしを逃がさねぇ‼
ぜってぇ、もう一度、取り戻す。』と、心に誓う司だった…。