後悔と言う名の元に…<つかつく> 16.
<一部の表現に、不快に思われる方がいらっしゃるかも知れません。
お詫び申し上げます。>
<司side>
しかし、俺にとって、予期せぬ事が起こった。
蘭の提案を飲まなければいけない事態が起こったのだ。
つくしの容体に異変が起こったのは、蘭からの提案を突っぱねてから、1ケ月経った頃だった。
俺は、俺の執務室に類と蘭を呼んだ。
「類、つくしの容体に異変が起こった。
蘭のウエディングドレス姿をつくしに見せて遣りてぇ。
至急、手配する。
宜しく頼むわ。」
「司、ごめんな‼
俺が蘭を愛してしまったばかりに、司に辛い思いをさせて…。」
「否、仕方ねぇのかも知れねぇな⤵。
蘭は、やっぱり、俺の娘(こ)だよ。
こうと決めたら梃子でも動かねぇ⤵。
蘭を宜しく頼むわ。
俺はつくしに集中してぇんだ⤴。」
「分かった。
有難う、決断してくれて‼」
それからの1ケ月は、類と蘭はドタバタだったようだが、俺は、一切を類に頼んだので、つくしに集中していた。
つくしに語り掛けている俺が居た。
「つくし、蘭が類と結婚する事に成った。
蘭のウエディングドレスを見るのが夢だったんだろ⤴。
早く、元気に成らなきゃな‼」
「そうだね。
司、苦渋の選択だったんでしょ?
蘭に負けたの?
それとも、諦めたの?」
「ああ?
諦めたの方が近ぇか?
此れからは、俺とつくしの二人っきりだな⤴。
仲良くして行こうな‼」
「そうだね。
寂しく成りそうだけど…⤵。」
「寂しくねぇだろ、俺が居るのによ⤴。」
「うふふふ…。」
つくしは含み笑いの様な笑い方で、俺に笑って見せてくれた。
つくしと何時までも一緒に居てぇ俺は、どんな事をしてでも、俺はつくしを助け出したいと思っていた。
俺はつくし無しでは生きては行けねぇんだから…。
あれから、1ケ月が経って、急では有ったが、類と蘭の結婚式が執り行われた。
結局、俺とつくしの結婚式は、つくしが入院していた事も有り、執り行われず終わり、5種類のドレスは着せて遣ったが、家族写真を含めた記念写真だけで終わった。
だからなのだろう、蘭のウエディングドレス姿を楽しみしていたつくしだった。
つくしの容体はそれ程、芳しくはなかったが、車いすに座り、結婚式に出席は出来た。
何より、幸せそうなつくしが其処に居た事が俺は嬉しかった。
久し振りに、親父とお袋、翼、姉ちゃん家族、牧野家家族、F2&T3家族に会えて、満足そうなつくしだった。
それからのつくしは、日に日に、窶れて(やつれて)行く事が俺は気に成っていた。
翼を日本支社に呼び寄せ、翼に日本支社を任せ、翼の秘書に西田をも付けた。
そして、俺は、一日中、つくしの傍に居て、つくしの世話を焼いていた。
俺は後悔をもう二度としたくはねぇ‼
心置きなく、つくしの傍に居たかった。
そして、心置きなくつくしを抱き締めて遣りたかった。
俺とつくしの結婚生活は、12年目に入った所だった。
まだまだ、先が有んだよ‼
そうだろ、つくし‼