取り戻したい…<総優> 8.
<一部、不快に思われるで有ろう表現があります。
お詫びします。>
また、あれから、1ケ月も優紀ちゃんには会えなかった。
俺はメープルに居た。
メープルでのパーティーの出席の為だった。
其処に、取材の為、来ていた優紀ちゃんと偶然に会えた。
「優紀ちゃん…?」
「えっ、西門さん…??」
俺は、優紀ちゃんの腕を掴んで、引っ張る様にエレベーターに無理矢理乗せた。
パーティーの着替えの為、俺のキープして有る部屋に優紀ちゃんを連れて行き、優紀ちゃんを中に無理矢理入れて、思わず、壁際に引っ張って行き、所謂、『壁ドン』をしてしまった。
『優紀ちゃんの顔がめっちゃ近ぇ…。
女を前にして、やべっ、俺、興奮してるわ?
こんな事、初めてかもな。
優紀ちゃんにkissしてぇ…⤴。』
否、まだだ。
まだ、kissは出来ねぇ⤵。
今したら、間違いなく、優紀ちゃんに逃げられるのがオチだ⤵。
俺は、興奮している心の内をポーカーフェイスで隠して、優紀ちゃんに迫った。
「優紀ちゃん、やっと、会えた。
優紀ちゃんに会いたかったんだ⤴。」
「………、西門さん?」
優紀ちゃんの眉が下がってる⤵。
確か、こんな時の優紀ちゃんは困っている時だったよな?
でも、もう、俺は止まれねぇんだわ。
優紀ちゃんの気持ちを聞くまでは…。
「優紀ちゃん?
優紀ちゃん本当の気持ち、もう、俺に教えてくれよ?」
聞かなくても分かってる。
優紀ちゃんの瞳(め)を見れば…。
高校生の頃、俺の事を、“好き。”って、言ってくれてた時の瞳(め)をしているよ、優紀ちゃん⤴。
もう、優紀ちゃんを手放せねぇんだよ‼
もう、俺は後悔したくねぇんだよ‼
優紀ちゃんの心を取り戻してぇんだよ‼
頼むよ‼
優紀ちゃんの胸の内を教えてよ‼
「………、西門さん、私から、離れてもらえませんか?」
「今、退いたら、本当の事、話ししてくれるの?
そうじゃねぇよな?」
「………」
優紀ちゃんは、何も答えねぇ‼
ほんと、厄介なだんまりだよな?
「優紀ちゃん、逃げねぇで、話ししようよ‼
優紀ちゃんが本当の気持ちを言ってくれるまで、優紀ちゃんを返さねぇよ‼
それでも良いんだな。」
俺は賭けをした。
優紀ちゃんの気持ちに…。
「西門さん、狡いですよね?
確実に、私の気持ち、分かっていますよね?」
「ああ、分かってるよ⤴。
優紀ちゃんの気持ちはダダ洩れだよ。
瞳(め)が訴えてるよ‼」
「じゃあ、分かりますよね?
私から聞かなくても…。」
「でも、男の心理として、言わせてぇの、俺の好きな女だから…ね⤴。」
俺は、“こんな事言わせるな‼”と、心の中で、優紀ちゃんに悪態を付いていた。
「私の気持ちを分かってて言わせるなんて…⤵。
酷い人ですね、西門さん‼」
「………」
優紀は深呼吸をして…。
「………、ふう~。
私、西門さんが好きです。」
耳を澄まさねぇと聞こえなかったが…。
「やっと、言ってくれたんだな。
有難な‼
kissして良いか?」
優紀は、返事をする事が出来ず、首だけで頷いた。
始めは、嗜むだけだった筈のkissも、総二郎は、思いの丈を優紀にぶつける様に、深く深く、kissをしていた。
久し振りの優紀とのkissに興奮していた総二郎は、優紀を離して遣る事が出来ずに居た。