Birthday Party(懺悔の日々)…<総優> 前編
<総二郎side>
俺は、西門総二郎。
12月3日の誕生日が来たら、俺は、25歳に成る。
西門流 次期家元。
で、俺の彼女は、松岡優紀。
高校の頃、俺の事を“好き‼”と、言ってくれた優紀を、俺は振ってしまった。
自分の気持ちを偽っていた事に気付いた時の俺は…。
もう既に、優紀以外、考えられなく成っていた。
優紀に許しを請うて、優紀が俺を許して、俺を受け入れてくれるまで、相当、俺は時間を費やした。
初めて、俺は、仲間の力を借りて、優紀を『俺の女』にした。
そんな俺と優紀は、付き合い出して、3年目に成る。
来年、俺達は結婚する。
あれだけ、女遊びの絶えなかった俺が、『優紀を好きだ』と気付いただけで、女遊びが途絶えた事に、親父達 俺の両親は、優紀を西門家に取り込もうとし始めた。
家元夫人 俺のお袋に至っては、少しの間、茶道から離れていた優紀が茶道だけではなく、西門流に難無く携わる様、優紀を手懐け始めた。
親達にとっては、俺は出来の悪ぃ息子らしい…。
お袋には、はっきり言われた。
「総二郎、貴方は、優紀さんのお陰で、次期家元として西門流に携われているのよ。
優紀さんが居なければ、何時(いつ)、『次期家元』を剥奪させられるか、分からな
かったのよ。
良かったわね、総二郎。
優紀さんが、貴方を見捨てずに居てくれて…‼」
今や、俺の存在は優紀のお陰で有るらしい。
まあ、良いんだけどな…。
俺は、何を言われても、優紀しか考えられねぇんだから‼
そんな俺にも、誕生日と言うものは存在する。
俺の誕生日は、12月3日。
優紀とこうなるまでの俺は、誕生日は別に嬉しいものでは無かった。
唯、『生まれた日』ってだけの事だった。
それが、変わるもんだよな⁉
優紀が祝ってくれるというだけで、俺にとって、『愛しい日』に成るんだからな‼
それが、今年の俺の誕生日は、独身最後の誕生日だという事で、仲間が祝ってくれる事に成った。
F4で、酒を飲んで居る時、急に、あきらが切り出してきた。
「総二郎、もう直ぐ、お前の誕生日だよな。
今年、独身最後の誕生日だろ?」
「ああ、そうだな。」
「総二郎、今年は松岡と、何か、遣るの?」
俺は、実の処、優紀からの『サプライズプレゼント』とやらを、期待していた。
つい、其の俺の期待値が、俺の声を上擦らせてしまった様だった。
「否、いつも通りだろ?
優紀が何か考えてくれてたら、話しは違ぇだろうけど…よ⁉」
「ったく、声のトーンが違ぇじゃねぇか?
総二郎、かなり、期待してんだろ?」
「それはなぁ~⤴。
期待すんだろ?
優紀の誕生日は、俺がサプライズでプロポーズして、優紀に喜びの涙を流させたんだ‼
期待しねぇ方が可笑しいだろ?」
「総二郎、期待損に成らなければ良いね⁉」
「………」
俺は類の言葉に、何も言えなかった。
それがだ、優紀を含めたあいつ等が、俺の為に、俺の誕生日の12月3日にサプライズを考えてくれてるとは思いもしなかった。
しかも、親父とお袋をも巻き込んで、俺に休みまで取らせていた。
ほんと、有り得ねぇ、俺の仲間達だぜ‼