慕情そして恋情…<つかつく> 14.
<一部、表現が不快に感じるで有ろう箇所があります。
お詫びします。>
司の執務室から退席した西田は、西田の執務室に入った。
其処で、楓に連絡を入れた。
「社長、司様の記憶が戻りました。
社長には、翼坊っちゃんと、ご一緒に、司様のマンションのお部屋でお待ち願いたいそ
うです。」
“そう、やっと…ね。
分かったわ。
翼と待って居ると伝えて。”
「賜わりました。」
楓は、如何やって、記憶が戻ったのか?
不思議だった。
“ところで、如何やって、司の記憶は戻ったの?”
「つくし様が、司様に、翼坊っちゃんの存在をお話しに成った処、つくし様が高校生でご
出産為さっている事に言及され、急に、司様が頭を抱えられ、私が、気付いた時には、
既に、司様は記憶を戻されていたご様子でした。」
“司らし過ぎて、何も言えないわ…。”
西田は、楓とのTELを切った後、司の執務室前に居たのだが、中に入り難そうなので、西田は、タイミングを見計っていた。
何時までも、そうしてじーっと、扉前で待って居ても如何かと思い、西田は、思い切って、司に声を掛けた。
「司様、ご準備が出来ました。」
「分かった。
直ぐ、出る。」
司はつくしと一緒に、司の執務室から出て来た。
そして、一緒にエレベーターに乗り、地下駐車場に着き、リムジンでマンションに向かった。
リムジンに乗って居る間、司はつくしを離せないで居た。
司はつくしを司自身の太腿に跨がせて、向かい合わせに座らせ、つくしを抱き締め乍ら、つくしには、司の首に腕を回させ乍ら、深いkissを司はつくしに施していた。
つくしも必死で応えてくれていた。
司は、そのつくしの姿が、可愛らしいつくしの姿が、嬉しくて、『一生、離して遣れそうにもねぇ。』と、思っていた。
つくしは司と離れていた期間が長過ぎて、つくしの記憶を取り戻した司から、つくしは離れる事が出来ず、つくしの羞恥心は、今のこの状態では何処かに飛んで行ってしまった様子だった。
司は、リムジンの中では拙いが、“もしかして、このままのつくしとなら部屋で…。”と、邪な考えをする司が其処にいたので有った。
楓、翼、そして、タマも居るで有ろう司の部屋で、そのような雰囲気を作れるとは、とても思えない状態で有ったのだが…。
司とつくしは、これからの長い人生、きっと、こういう事は幾らでも有るであろう。
なんせ、司とつくしには、F3がバックに居るのだから…。
高校生の頃の司とつくしは、F3は味方の様で、何度も、道明寺邸で、邪魔されてきていたのだから…。
取り敢えず、司は、楓と翼に会って、翼との親子の対面を果たした後、司は、つくしに向かう事にした。
マンションに着いて、マンションのロビーに入った時、つくしが何気に、エレベーターの指紋認証を解除している姿に、司は驚愕していた。
「つくし、お前、指紋認証の解除が何故、出来る?
今日、初めてだよな?」
慣れ? 否、癖?とは、恐ろしいもので、何気にしていたので、つくしは、つくし自身でしていた行動に気付かずに居たのだ。
つくしは、“ヤバい‼”と、思った時には、時既に遅しだった。
怪訝な顔をした司に、睨まれたまま、エレベーターに乗せられ、壁に押し付けられた。
所謂、『壁ドン』をされている状態だった。
態と、司は階ボタンを押さず、寧ろ、押させず、エレベーターの扉は閉まった状態にして、その場に止まらせて居た。
逃げたくてもつくしの女性の力では、ビク共しない司の腕に包囲されてしまっているつくしだった。
「何故、エレベーターを解除出来るんだ?
黙ってねぇで、答えろ、つくし‼」
つくしは、密かに思っていた。
“此れは、完全に怒っているよね…、如何しよう?”と…。
司の眉間に皺が寄り、歪んだ顔付きに成り、右の口角を上げ、不気味な笑みを作られた暁には、つくしは、震え上がるしかなかった。
「司、怒ってる…?」
「この顔を見て、楽しんで居る様に見えるんだったら、お前、眼科に行って来い‼」
「そうだよね?」
「で、如何なんだ?」
「お義母様が、このマンションに、私と翼のお部屋をご用意下さったの。」
「はぁ~??」
「そんな、大きな声で叫ばなくても、私は、聞こえてますが…?」
「はぁ~??
もう一回、言ってみろ‼」
司の重厚感のドスの聞いた声に、更に、震え上がるつくしだった。
「いいえ、何でも有りません。」
司は、司自身の顔を、つくしの顔に更に近付け、司の腕から逃げ様とするつくしを追い詰め、更に、不敵な笑みをつくしに向けた。
つくしは背中が凍り付くのを初めて感じていた。