慕情そして恋情…<つかつく> 26.
<司side>
俺は日本に帰国して少し経ってから、つくしに翼が日本に帰国して、日本支社転勤と成る旨を話した。
「つくし、まだ、内示は出てねぇが、近々、翼が日本支社転勤と成る。
心得て於いてくれ‼」
「そう、翼、帰って来るのね。
お義父様とお義母様が良くお許しになったわね?」
「親父から言い出した事だよ。
俺をNYに態々、出張させて、翼と俺が仕事を遣って行けるか、何方にも試させる為に
な‼
何の事はねぇ。
俺が行かなくても、翼だけで賄えるプロジェクトなのによ⤴。」
「でも、司は、嬉しかったんでしょ?
翼と一緒に仕事出来て…。」
「ああ、まあな‼
あいつ、中々、遣るんだよな⁉
親父がかなり、鍛えてくれたみてぇだな。」
「そう、良かった…。」
「ほっとした顔をしやがって…。」
「そりゃそうよ。
お義父様のお役に立ってるのか心配してたのよ。
お義母様からは色々話しは聞いては居たけど…ね。」
母親にとって、息子というのは、年齢に関係なく幾つに成っても、息子は息子ってか。
母親にとっては可愛いもんなんだろうな‼
俺には、経験はねぇが…⤵。
「で、翼との話しは、上手くいったって思っても良い?」
「まあ、如何かは分からねぇが…。
父親としては、息子としての翼と話しが出来たんじゃねぇかと思うけどな⤴。」
「じゃあ、企業人としての息子との会話は…?」
「そっちの方が、間違いなく上手くいってるぜ‼」
「そうか、良かった…。」
当然だろ‼
企業人の俺を尊敬の眼差しで見てくれてたっつーの‼
<つくしside>
司の言葉、反応を見て、司がNYに出張したのは間違いではなかったとほっとしていた。
翼が、いよいよ、凱旋帰国って、所かな?
やっと、家族が揃う。
蘭も翔も、翼を慕っている。
学校の長期休暇に成ると、お義父様とお義母様が蘭と翔をNYに呼んで下さるので、二人は翼が『兄』で有るという事は、認識も理解もしている。
蘭に至っては、16歳の歳の差、翔は18歳の歳の差。
蘭と翔の二人にとっては、兄という感覚の歳の差ではないと思っていたが、其処は同じ両親から生まれた『兄妹弟』。
分かり合えているみたいだ。
翼の仕事が休みの時に、蘭と翔との3人(勿論、SPさん込)で、アメリカのカルフォルニア州に有る○○ランドに言って来たみたいで、興奮気味で私にTELで喋る翔が可愛く思えたらしい翼が、後で私に話ししてきた。
「やっぱり、『兄妹弟』って、良いな‼」って…。
進とは『兄弟』の様に育った翼とは言え、本来は、叔父と甥っ子の関係。
多少の遠慮は有ったのだろう。
でも、翼は、蘭と翔とは、実の『兄妹弟』。
遠慮が要らないって所なのだろう。
蘭と翔にも、翼が、近々、日本に帰国して帰って来る事が司から話しされた。
先ずは、蘭が口火を切った。
「本当に、お兄様が帰って来るの?」
「ああ、まだ、ちょっと、先だけどな。」
「蘭、凄く、嬉しい‼
此れで、やっと、『兄妹弟』3人、揃うんだね‼」
「やったー!
ずーっと、待ってたんだ。
お兄ちゃんが帰って来るの‼」
司と私は、蘭と翔の二人に拒否反応がない事を安心していた。
それから、2か月後、翼は日本支社 専務として、凱旋帰国して帰って来た。
お義父様が、態と、民間航空機で翼を帰国させた。
羽田空港の国際線ロビーは、翼の凱旋帰国を何処で聞き付けたのか、マスコミでごった返しに成っていた。
その様子を確認した西田さんが、急遽、翼を空港ロビーまで迎えに行く事を避ける様、司と私に伝えて来た。
急遽、司と私はリムジンで待機する事に成った。
蘭と翔は、翼を迎えに行きたがったが、学校が有る為、楽しみにして居る様、言い聞かせていた。
連れて来なくて良かったと、つくづく思った。
後で、F3から聞いたのだが…。
TV画面に映る翼は、若かりし頃の司かと見間違う位、寸分の違いない堂々とした翼の態度に…。
“道明寺HDの将来は安泰だなと思った”と、言ってくれた。
F3のその言葉に、涙が出る位、本当に嬉しかった。