忘れ欠けていた…<総優> 1.
<のっけから、オリキャラが出て来ます。
同じお名前の方が折られましたら、お詫びします。>
総二郎は、何故か、いつも、喪失感に苛まれていた。
メンバーも、F4+滋は27歳、つくしは26歳、桜子は25歳に成っていた。
メンバーのそれぞれも、お年頃と成り、それぞれ、結婚する様な年齢に成って来ていた。
類だけは、相変わらずの様だったが…。
高校時代から付き合っていた司とつくしは、色々有ったが、司の母ちゃんに認められたつくしは、司と大学時代に婚約し、そのまま、去年入籍を済ましていて2年目に成る。
大学時代から付き合い出したあきらと桜子は、去年婚約し、今年、結婚予定である。
滋も、父親の紹介で彼氏が出来、付き合い出した。
滋は、一年の殆んどが、ドバイ勤務だった様だ。
総二郎は、今でも、『女たらし』継続中で有る。
また、親からも、かなり、見合いだのと、色々、言われる事にうんざりし、居た堪れず、『ちゃらんぽらん総二郎』を継続中で有った。
何時しか、総二郎は、メンバーにも会う事を躊躇し始めていた。
その事を、悟っていたF3は、総二郎の気持ちに従う様にしていた。
そんなある日、総二郎は、偶然、と有る家族と、再会していた。
と有る家族とは、『更』家族だった。
『更』家族は、旦那と娘の彩夏(さやか)の3人家族であった。
更は、偶然、見掛けた総二郎に声を掛けた。
「えっ、『二郎』??」
声を掛けられた総二郎は、声のする方に振り向いた。
『二郎』呼びするのは、総二郎の周りでは、更しか存在しないのだ。
総二郎は、咄嗟に、振り向いた。
「あっ、やっぱり、『二郎』じゃん‼」
更は、ニコニコと、溢れんばかりの笑顔で、話し掛けて来た。
総二郎は、スラックスのポケットに手を突っ込んだまま、ボーっと突っ立っている様子だった。
「ああ、『更』か?」
「そう、『更』だよ‼
こんな所で会う何て‼
凄い、偶然‼
元気(?)そうでは、無い様だね?」
「ああ、そう見えるか?」
「うん、まあ…。
あっ、そうだ。
私の家族なの‼
紹介するね。
私の旦那と娘の彩夏。」
「そうか、幸せそうで成り寄りだな‼」
更は、旦那に紹介した。
「私の幼馴染の茶道 西門流 次期家元 西門総二郎さん。」
「「宜しく‼」」
更の旦那は、総二郎と握手を交わしていた。
そして、更は、飛んでも無い事を総二郎に言い出した。
「二郎、優紀ちゃんと会ってる?」
総二郎は、何年も会って居なかった優紀の存在を忘れ欠けていた。
否、忘れる様に、努力をし、やっと、記憶から追い出せていた筈だった。
「否、高校以来、全く会ってねぇよ。」
「そうか、てっきり、二郎は、優紀ちゃんと付き合うと思ってたし、あの後、付き合って
ると思ってたよ。
だって、あの頃、二郎は、優紀ちゃんを意識し始めて居たでしょ?
私の眼は、節穴じゃないから…ね。」
総二郎は思った。
更にはバレていたのかと…。
あの頃、あの、優紀と一線を越えてから、総二郎は、優紀と会う事を躊躇し始めていた。
優紀を忘れられなく成る自分自身が辛くなると思ったからだった。
西門家の柵(しがらみ)に、優紀は絶えれないだろうと考え、優紀を本格的に好きに成る前に、自分自身の気持ちに蓋をし、優紀から身を引いたのだった。
『ちゃらんぽらん男』を演じる方が、総二郎は楽だったのだ。
そんな事だとは思わなかった優紀も、総二郎から身を引き、メンバーからも遠退いていた。