誤解だ…(好きなのに…(続編))<総優> 1.
【恋人 編】
俺にとって、ほんと、マジ厄介な事が起きた。
本当に誤解なんだから、それ以上、どう説明すれば良いというんだ?
今の俺にとって、俺の一番は今や優紀で、優紀以外、要らないというのに、何故、態々、危険を冒してまで、『3回ルール』を復活させなくてはいけないんだ。
『優紀、俺を信じろよ‼
誤解なんだ‼』と、叫びたい。
事の発端は、先日、開催された、道明寺HD主催のパーティーでの事。
司はパートナーの牧野と、あきらはパートナーの桜子と、類は日本に一時帰国していた静をパートナーとして、俺はパートナーの優紀と一緒に居た。
今回、滋はドバイの為、欠席。
で、俺ら、8人で一緒に居た。
端から見れば、かなり目立っていたとは思う。
そんな時、司の母ちゃんが、司と牧野を迎えに来た。
「司、つくしさん、そろそろ、ご挨拶が始まるから、壇上に上がりなさい。」
司と牧野は、軽く頷き、俺達から離れた。
その隙を狙っていたかどうかは知らないが、俺達を見ている女3人組が居たらしい。
類は透かさず、確認していた。
そんな時、優紀がレストルームに行くと言って、席を離れた。
その後を女3人組の内の1人が優紀の後を付けて行ったらしい。
類が見ていてくれた。
「総二郎、あそこに女2人が居るよね?
ほんとは、3人居たんだよね。
その内の1人が松岡の後を付けて行ったみたいだよ。
気を付けた方が良いかもよ。」
「えっ?? 類、サンキューな。
了解、俺、行って来るわ。」
そこに、桜子が…
「西門さん、私が行った方が良くありません?
西門さんなら、中に入れませんよね?
それに、西門さんだったら、相手を喜ばせるだけですわ。」
「桜子、悪ぃ、頼むわ。」
「承知致しましたわ。」
レストルームにて…
女が行き成り、優紀に詰め寄って来た。
「あなた、どういうおつもり?」
「何のことでしょうか?」
「あなた、どうやって、総二郎様に近付いたというの?
厭らしい女狐でいらっしゃる事。」
優紀は首を捻りながら訪ねた。
「あの~、何を仰っているのか、分からないのですが…?」
女は尚も優紀に詰め寄る。
「あなた、総二郎様には『3回ルール』というお遊びが有るという事、ご存知ないの?
あなた、もしかして、それを利用して、総二郎様に近付いたのね?
そうでしょ、厭らしい女狐でいらっしゃる事。
今でも、なさっていらっしゃるようね、総二郎様の『3回ルール』。」
「………」
そこに真打登場。
「あなた、○○産業のお嬢さんでいらっしゃいますね。」
「あなたは何方?」
「三条桜子ですが。」
「三条さん…??」
女は首を捻りながら…。
「あなた、もしかして、三条の大奥様のお孫さん??」
「ええ、そうですが…。」
女はヤバいと思ったのか、少し身体を仰け反らせた。
「此方は私の従姉妹よ。
それに、家元夫人に認められているのよ。」
「ええっ??」
「この事を知ったら、私の祖母も西門家も婚約者の西門総二郎さんも黙っていな
いでしょうね。
あなたのお父様の会社、明日には、無くなって居るかも…ね、楽しみね。」
「………」
慌てて、女はレストルームから出て行った。
「桜子さん、有難う、でも、私を従姉妹って言って良かったの?」
「大丈夫ですよ。」
桜子は優紀が安心するように、そっと肩を抱き締めて笑って見せた。