もしも類とつくしが兄妹だったら…<つかつく>49.
【花沢つくし 編 49.】
今日は花沢家に挨拶の日である。
司としては、類が帰国して来る前に済まして於きたかったのである。
類に揶揄される事、間違い無いのだから…。
孝から司に声を掛けて来た。
「やあ、司君、久し振りだね。
よく来たね。」
「お邪魔致しております。」
つくしは心配していた。
司はつくしパパの勢いに押されている。
“大丈夫かな?”と、つくしは、不安に駆られていた。
「まあ、そんな緊張しなくても…。
司君、手が震えているよ。」
つくしは慌てて、つくしパパをセーブし始めた。
「パパ‼
司、気にしないで…ねぇ⤴。」
「もう、下の名前で呼び捨てか、つくし?」
司は何も言い出せないでいたのである。
「………」
「パパ‼
もう、いい加減にして。」
ダメだ。
今日は私のいつもの制裁を欠いている。
何時もの私じゃない…。
パパのツッコミが容赦ない。
『パパ策士』降臨‼ されてしまっている。
これは、ヤバい‼
「司、挨拶、何てもう良いわ。
行きましょう‼」
孝はつくしを制止した。
「つくし、何だ。
司君は我が家に挨拶に来てくれたんだろ。
道明寺家にもつくしは挨拶に行ったんだよな。
じゃあ、花沢家にも司君の挨拶は必要だろう。
此方はつくしを嫁に出すんだ、当然だよな、司君?」
「………」
「パパ、恥ずかしいから、もう、止めてぇ~~。」
つくしは発狂し出した。
「大丈夫だ。
司君は類で慣れているだろ?」
「………」
何が大丈夫なのよ。
何がお兄様で慣れているよぅ~~。
パパ、揶揄しないで‼
司が何も答えられなくなっているじゃないの~~。
「もう、嫌‼
ママ、挨拶無しで良いわよねぇ?」
「あなた、お止めに成って…。」
司がヤバい‼
パパに遣られている。
如何しよう?
挨拶、処じゃないわよぅ~~。
「司、大丈夫?」
「………」
「ほら、放心状態になってしまったじゃない?
如何するのよぅ~~‼」
「こんな事くらいで放心状態になるようじゃあ、先が思い遣られるな⤵。」
つくしは如何する事も出来ず、パパを抑えるすべも無く、途方に呉れそうだった。
「パパ、お願いだから、司を苛めないで~。」
「類が居たら、もっと、大変だったんじゃないか?」
「「………」」
心の声が出そうよ、“はぁ~⤵。” ←by つくし
かくして、挨拶、処では無かったが、如何やら、つくしの両親からも結婚は許されているようだ。
取り敢えず、“ほっ”と、するべきか? 否か?
答えを知っているのは、『つくしパパ』のみだ。