やっぱり、私は…<つかつく> 12.
<司side>
パーティー会場の扉が開き、俺とつくしは、パーティー会場内に入って行った。
何処とはなく、西田が現れて、俺とつくしの背後にぴったりと就いて来ていた。
そして、挨拶回りの際、主要な要人には、つくしを俺の婚約者として、西田は、紹介していた。
俺は、何だったら、婚約指輪をつくしの誕生日のプレゼントにすれば良かったと、後悔していた。
それでも、昨年の12月28日のつくしの誕生日にプレゼントして遣ったつくしの誕生石が付いた指輪を、つくしは指に嵌めて来ていた。
滅多に取れねぇ、貴重価値の『pink purple』のタンザナイトの💗型の指輪…。
タンザナイトの💗の周りに付いて居るのは、間違いなくダイヤだ。
まあ、此れも、俺のつくしへの愛の印だ‼
見る奴が見れば、つくしが指に嵌めている指輪のクオリティーは、どの位ぇかは、分かるだろう‼
つくしには、言えねぇが…⁉
俺が正直に言えば、受け取る訳ねぇんだから…よ。
しかも、つくしが指に嵌めている指輪は、左手の薬指に嵌めている。
俺が、つくしの左手薬指に嵌めさせたんだけどよ‼
まあ、クオリティーと言うべきか?
輝きが違ぇから、逆に目立ってんだが…。
つくしは、気付いてねぇみてぇだな⁉
それに、つくしの振袖姿も、逆に目立ってんだよな‼
周りの居る、男共が、ちらちら、つくしを盗み見て居るのが、良~く、分かった。
だから、此の指輪の抑止力は、凄~く、絶大な効果を呼んでいた。
挨拶も一通り終わった後、俺とつくしは、親父とババアに呼ばれた。
ババアが、つくしに声を掛けて来た。
俺が見た処、ババアは、態と、つくしに声を掛けた様子だった。
「つくしさん、凄くお似合いよ‼
要人の皆様からも、凄く評判よ‼」
「有難うございます。
凄く仕立ての良いお着物をご用意して下さいまして、感謝申し上げます。」
「他人行儀は、お止めに成って‼」
親父も、ババアとつくしの間に割って入って、話ししていた。
如何も、親父も、つくしと話ししたそうにしていた様子だった。
「そうだよ、つくしさん‼」
「はいっ‼」
姉ちゃんも、跳び付かんばかりに、俺とつくしの方へ来た。
「つくしちゃん、ほんと、可愛いわ‼
私の妹だから、当り前だけど…ね。」
「有難うございます…うふふ。」
「司、つくしちゃんを幸せにしなきゃあ、罰が当たるわよ‼」
「分~ってるよ‼」
で、俺とつくしは、あいつ等 F3&T3が居る方に向かって歩いて居た。
F3&T3との新年の挨拶もそこそこに、滋が愚痴を言って来た。
「ちょっと、つくしだけ、狡~いっ‼」
「ああ、ごめんね。
お義母様が、誕生日のプレゼントに、成人式の振袖をご用意下さったの。
“成人式は、日本に帰国出来そうも無いから、今日のパーティーで着付けて頂戴‼”と、
仰って下さって…。」
「そうだったんですね⁉
先輩に良く似合ってらっしゃいますね。
『馬子にも衣裳』って、こういう事を言うんですわね。」
「ちょっと、桜子…。
それ、如何いう意味よ‼」
例の如く、あきらが、仲に入って、仲裁していた。
「お前等、正月早々だぞ‼」
「「………」」
つくしと三条は、何も言えず、俯いていた。
<つくしside>
そんな時、私は、優紀に声を掛けられた。
「つくし、もう、私、見ちゃったね。
成人式の振袖…‼」
「あっ、そうだね。
優紀も、似合ってるよ、其のソワレ…‼」
「………」
優紀は、私の言葉に、助けを求めて居る様な、困っている様に、私は、見えた。
だから、ソワレの話しには触れない様にして、話題を変えてみた。
「それより、ごめんね。
成人式のお支度、“一緒に行こう‼”って、言ってたのに…。」
「あっ、良いよ。
美容室には、ちゃんと、説明して、分かってもらったし…。
それに、私の予約、一番最後にしてもらったから、ゆっくして居られるし…。」
「じゃあ、会場で会うのは、少し遅らせた方が良いよね⁉」
「うん、そうだね⁉
でも、つくしに、合わせるよ‼」
「了解‼
近くに成って来たら、相談しよ‼」
「うんっ‼」
そんな話しをして居た時、滋さんが、優紀に声を掛けていた。