誤解だ…(好きなのに…(続編))<総優> 6.
【恋人 編】
優紀は唯、黙ったまま、総二郎を見詰めて総二郎の話しを聞いて居るだけだった。
こういう時って、男って、浮気がバレた後のような、居た堪れない感情が沸き上がって来るって、身に染みて分かった。
反論出来ねぇんだよな…。
優紀に見詰められる目が怖くて、直視出来ないって、どんだけだよぅ~。
「………優紀、答えてくれよ?」
「高校生の頃に戻れるなら、どんなお仕置きでも出来るのに…。
こんなに反省している今の総二郎さんに言っても仕方ないけど、今度、裏切ったら、皆
さんに総二郎さんを成敗してもらいますので…、そのおつもりで。」
「そうだな。
優紀には、沢山の後ろ盾が居たんだもんな。
肝に銘じるよ。
優紀、許してくれてサンキューな‼
仲直りのキスしたらダメか?」
「………」
総二郎は更に畳み掛けた。
「優紀に会えなかった時間、俺、寂しかったんだけど…、優紀は寂しくなかったか?
寂しかったんなら、俺に甘えて来い‼
ほれ、お出で‼」
総二郎はベッドに座ったままで、両手を広げた状態で、優紀がしな垂れて来るのをじっと待った。
優紀は如何して良いか悩んだ。
あれだけ苦しんだのに、あっさり総二郎を許しても良いのだろうか?
今の総二郎は私を裏切らないだろう事は分かる。
でも、過去の行いは、誉められた行いではない。
もう少し、反省させるべき、それとも、許して先に進むべき…?
「………優紀??
腕が怠い。
何時までも待たさずに、素直に俺に堕ちて来い‼」
「………、反省しているんですか?」
「優紀、反省も何もないんだよ。
俺はもう昔の俺じゃない。
過去の過ちは未来に持って来なければ良いんだ。
優紀を裏切るような過ちは未来には無い。
その事は此処で誓うよ。」
「………」
「優紀、愛してる。
この先、ずーっと、永遠に愛すると誓える。
仲直りしようぜ…、な‼」
こうして、優紀は総二郎にしな垂れ掛かり、そのまま、総二郎は優紀を離す事が出来なかった。
総二郎は『過去の俺』に出会う事が出来るなら、殴り掛かりたい心境で居た。
もう、過ちは繰り返さないと誓った総二郎で有った。
また、総二郎と優紀の二人の絆を一層、深める結果となったのは言うまでもない。
『雨降って地固まる』である。
『もう、これからは無いようにしろ(よ)…。』 by F3
Fin