友達でもなく、恋人でもない…<つかつく> 5.
<つくしside>
私は、思っていたより、意気地がないのか?
あと一歩が踏み出せないからなのか、自分の気持ちを偽らざる負えなかった。
あの日の空港では、花沢類の後押しが有ったから、あの時の私は、踏み出せた様に思う。
じゃあ、今の私は…。
道明寺との未来を…、暖かな未来を…、手にする事は、もう、私には出来ないのだろうか?
私は、道明寺から、『“愛してる”より、“大好き”と言われる方が好き』だった。
私は、思っていた。
『愛してるより大好きの方が私らしいかも』って…。
道明寺は『大好きより愛してるの方が感情的だ』って言うけど…。
私は、道明寺の気持ちに応えるべき?
私は、また、友達でもなく、恋人でもない、
中間地点の中で道明寺を見続けていられるのだろうか?
<司side>
あのパーティーで、あいつがNYに居ると分かった時点で嬉しかった。
本来は、お袋と交わした約束の年数は2年だった。
が、道明寺と、関われば関わる程、2年では何も出来ない事が俺には分かった。
お袋があの時、言った…、
『2年、牧野さんとの連絡を一切、経つ事が出来るなら、あなた
を道明寺HDから、解放して上げます。』
あの時、あの言葉を言ったお袋は、俺が2年では成長していないだろう事は分かっていて、その上で、2年で開放する気等、初めから更々無かったのだろう。
それが、あいつから、俺の知らない所で俺の傍に居たのかと思うと、悔しいけど、嬉しい。
『素直に、俺に堕ちて来い。』って、言えたら、どんなに良いか分からない。
言えないのは、今のあいつの立場を痛い程、理解出来るからで…。
そう言う意味で言えば、『牧野つくし』時代のあいつの方が、お互い素直に飛び込めたのかも知れないな…⤵。
素直に飛び込んで来れないあいつを理解出来るなんて…。
あいつが教えてくれたんだよな、
『人の気持ちに寄り添う事の大切さを…。』
俺達は、あの後から、何かに付けて、“会いたい。”と、俺から連絡をして、会っていた。
俺達は何時まで経っても、友達でもなく、恋人でもない、唯、その中間地点でお互いもがいてるだけだった。
俺達は、あの時と、あの高校生の頃と、何ら、未だに変わっていなかった。
<楓side>
ここ最近の司の様子が変わった。
あのパーティー以降から…の様だった。
私(わたくし)は、司の動向を調べる様に、西田に伝えた。
私(わたくし)は驚く事に成った。
直ちに、クラウン・コーポレーションに出向き、クラウンCEOと、会って確認した。
「『牧野つくし』が何故、『ミッシェル・クラウン』何でしょうか?」
クラウンCEOは全てを、私(わたくし)に話して下さった。
私(わたくし)は驚くしかなかった。
いいえ、私(わたくし)は、あの娘(こ)が、あの『ミッシェル・クラウン』だったなんて…想像もしていなかった。
司は、あのパーティーで、『牧野つくし』が、実は、『ミッシェル・クラウン』だと、知って、あの頃に戻って居るのだろう。
『もう、そろそろ司とあの娘(こ)を、二人を許して遣るべき
なのだろう。』と、私(わたくし)は、素直にそう思えたので有った。