今更…<総優> 58.
<此の二次小説『今更…<総優> 58.』は、一部のシーンに、不快に感じるやも知
れないシーンが出て来ます。
了承の程、宜しくお願い致します。>
此の時の総二郎は、唯、優紀を抱き締めたまま…。
何も言わなかったのだ。
実は、総二郎には、言える筈等無かったのだ。
気持ちが焦って居る総二郎だったのだから…。
だからだったのだろう。
優紀は、優紀で、唯、抱き締められた状態で、ジーっと、して居たのだった。
其の時だったのだ。
やっと、総二郎は、優紀の耳元に、言って除けるのだった。
「ごめんな。
優紀…。
けど…よ。
俺には、俺の考えが有って、そうした事だったんだよ。
優紀は、優紀の姉ちゃんが、調子に乗る事が怖かったのかも知れねぇ。
其れは、俺の親父とお袋に対してだろ?
其れと同じ様に…。
俺も、優紀の姉ちゃんには、嫌われたく無かったんだよ。
何事にも、最初が肝心だろ?
だから…よ。
“優紀の姉ちゃんには、嫌われねぇ様に…。”と、思っての事だったんだ‼
勿論、遣り過ぎた感が有った様には思う。
其処は、否めねぇだろ。
けど、俺は、優紀が言う様に、女(性)に対しては、手慣れてる。
俺を観て、如何言って来るかも…。
如何思って居るかも分かってる。
序に言う成れば…。
相手が、俺に如何言って欲しいのかも、相手の顔付きを観てれば、分かる。
だから、優紀の姉ちゃんの顔付きを観てれば…。
分かったよ。
だから、優紀の姉ちゃんを、簡単に、喜ばせる事も出来た。
唯、俺にとっては、其れだけだろ?
まあ、俺に取っちゃあ。
何でもねぇ事だが…な。
けど…よ。
俺に取っちゃあ。
そんな簡単な事が、優紀には、通用しねぇ時が有んだよな。
優紀が何を考えて居るのかも…。
俺に如何して欲しいのかも…。
分からねぇ時が有る。
だから、優紀には、必死に向き合おうとするし…。
俺に繋ぎ留めたくて、必死にも成る。
其れを、あれは、ねぇだろ?
確かに、俺は、『遊び人』だったよ。
けど、今は、『優紀一筋』だろ?
違ぇか?
優紀…。
優紀と再会してからの俺は、優紀だけだろ?
今じゃあ、遊んじゃ居ねぇぞ‼
誰から観ても、今の俺は、『品行方正』だろ?」と…。
「………」
だが、此の時の優紀は、思うのだった。
“総二郎さんは、『品行方正』の意味を取り違えてる。
今の総二郎さんの表面上は、『品行方正』だけど…。
私に対しての中身は、『品行方正』じゃないと、思うんだけど…。”と…。
だが、そんな風に、考えて居た優紀は、総二郎に返答する機会を失って居たのだ。
だからだったのかも知れない。
総二郎は、怪訝な物言いで、優紀に、訊き始めるのだった。
「何だよ…?
また、優紀は、無言かよ‼」と…。
其れでも、優紀は、抱き締められた状態のまま…。
考えを巡らして居たのだった。
“総二郎さんは、私との仲直りを要望して居るのだろうか?
成らば…。
変に怒らせる事も出来ない。
私は、総二郎さんが、そういう人だと言う事が分かって居て、お付き合いして居るんだ
から…。
仕方ないのかも…。”と…。
だから、優紀は、総二郎に、言えた言葉だったのだろう。
「無言じゃ無いですけど…。
総二郎さんが、そういう人だと、分かって居て、お付き合いした私の責任だと思います
ので、今回は、許します。
でも、私の両親は、総二郎さんが、そう人だと、分かって居ても、実際には、観た事が
無い筈です。
だから、私の両親には、総二郎さんを観て、私との事も、不安に思って欲しく無いんで
す。
私の事で、私の両親に、心配を掛けたく無いので…。
だから、総二郎さんに、お願いが有るんです。
此れからは、私の両親の前では、そういう総二郎さんの姿は、見せないでもらえます
か?」
そんな風に、優紀から言われた総二郎は、何故か?
嬉しく思って居たのだ。
優紀自身は、総二郎を喜ばせたくて言った言葉じゃ無かったのだ。
だが、総二郎は、そう取って居なかったのだ。
総二郎の中では、良い方に捉えて居たのだ。
“まだ、優紀の中には、俺が居んだな‼”と…。
だからこそ、そう思えば思う程…。
にやけて来る総二郎だった事は言うまでも無いのだ。
だからだったのだろう。
そんな総二郎は、優紀に、にやけた顔付きのまま…。
言って除けるのだった。
「ああ。
そうだな。
気を付ける。」と…。
だが、優紀は、総二郎の身体が震えて居る事で、“総二郎さんは、寒いのだろうか?”と、勘違いして居たのだ。
だからだったのかも知れない。
優紀は、総二郎に、訊き始めるのだった。
「総二郎さん…。
身体が、震えて居ます。
寒いんですか?」と…。
だが、総二郎は、そんな優紀に、調子抜けしそうに成って居たのだった。
総二郎の身体が震えて居る原因は、優紀が、総二郎にとって、嬉しい言葉を言ってくれた事に対して、にやけて居たに過ぎないのだから…。
だが、そうとは言えない総二郎は、月並みの言葉で、優紀に伝えるのだった。
「否…。
寒くねぇよ。
優紀の温もりが、俺の身体にも、伝わって来るから…。
大丈夫だ‼」
そんな風に、総二郎から言われた優紀は、藻掻き始めたのだ。
総二郎から離れ様と、必死に藻掻く優紀だったのだ。
そんな優紀を離さないとでも言う様に…。
必死で、優紀を抱き締める総二郎だった事は言うまでも無いのだ。
そんな総二郎が、抱き締めて来る圧は、優紀にとっては、きつく…。
息苦しさを感じる程だったのだ。
だが、必死過ぎて、気が付かない総二郎だった事は言うまでも無いのだ。
其処で、優紀は、漸く、言葉を発する事が出来たのだった。
「総二郎さん…。
息苦しいです。
腕の力を、緩めて下さい。
お願いします。」と…。
其処で、やっと、優紀の苦しそうな様子に気が付いた総二郎は、腕の力を緩めたのだった。
だが、其処は、総二郎…。
優紀が、自身から、離れて行かない様に…。
力の入れ具合を、微妙に、調節するのだった。
其処で、優紀は思うのだった。
“本当に、総二郎さんに捕まってしまった感じだ。”と…。
所謂、降参状態の優紀だった事は言うまでも無いのだ。
総二郎にして視れば…。
此の状態は、“して遣ったり…。”と、言う状況だった事は言うまでも無いのだろう。
実際、其れ以降の優紀は、まんまと、総二郎の魔の手に引っ掛かり…。
成る様に成ったのだから…。
こう成ってしまえば…。
総二郎の独壇場に成る事は間違い無いのだ。
して遣ったりの総二郎に…。
して遣られたりの優紀だった事は言うまでも無いのだ。
こうして、何時の間にか?
総二郎と優紀の喧嘩は、終了したのだった。
或る意味…。
今後の優紀は、前途多難な優紀に成る事は言うまでも無いのだろう。
