もし、全員、幼馴染だったら…<F4&T4> 26.
其の後の総二郎は、優紀と桜子が座っていた4人掛けのテーブルの優紀の隣の席に座ったまま…。
何食わぬ顔で居たのだった。
実は、其の様子を、其のカフェに居たお客が、固唾を呑んで、ジーっと、観て居たのだった。
何故なら…。
総二郎の体制は、優紀の方に、身体毎、向けて居た状態だったのだ。
所謂、総二郎が、窓際に座る優紀の方を向いて居ると言う事は…。
総二郎の背後に、カフェに居たお客が居る状況と、言う事に成るのだ。
と言う事は、総二郎には、総二郎の背後に座っているお客の様子は見えて居ないという事に成るのだ。
しかし、カフェに居たお客の中でも、総二郎狙いの女性にとって…。
此の光景は、許される状況では無かったのだ。
何故なら…。
窓に写っている総二郎の顔付きは、ジーっと、優紀を観たまま…。
にやけて居たのだ。
普段、総二郎は、『クールで、冷静で、周りの空気を読める男性』と、言われて居たのだ。
其れが、此の日の総二郎は、全くと言って良い程…。
そんな要素が、微塵も見えない状況だったのだ。
だからだったのだろう。
所謂、カフェに居たお客の中でも、総二郎狙いの女性にとって…。
此の状況は、優紀に対して、嫉妬して居たという訳だったのだ。
優紀にして視れば…。
こういう状況は、有難迷惑だった事は言うまでも無いのだ。
だが、此の日の総二郎は、優紀に対して、遠慮する気等…。
毛頭無かったのだ。
“優紀ちゃんが、俺を拒むので在れば、強硬手段に出て遣る。”とまで、総二郎は、考えて居たのだった。
だからだったのだろう。
何時迄経っても、総二郎の方を観ようとし無い優紀に、痺れを切らした総二郎は、優紀の腕を掴んで、立させた後…。
其のまま、引き摺る様に…。
カフェを出たのだった。
勿論、総二郎は、優紀を、カフェから連れ出す前に…。
桜子には、声を掛けて居たのだった。
「桜子…。
優紀ちゃんを連れて行くぞ‼
良いよな?」と…。
此れには、優紀は、思うのだった。
“西門さんは、私には、訊かないんですね?”と…。
だが、元々、総二郎は、優紀に、訊く気等、毛頭無かったのだ。
例え、総二郎が、優紀に、訊いたとしても…。
優紀からの答えは分かり切って居たからなのだ。
だからだったのだろう。
此の時の優紀は、総二郎から腕を掴まれた状態のまま…。
不貞腐れて居たのだった。
其れに、総二郎の握っている優紀の腕は、優紀から離されない様にする為に、強めに総二郎が握っていた事も有り、真っ赤に成って居たのだ。
其の事が、寄り、優紀を、不貞腐れさせて居たのだった。
だが、優紀の気持ちとは、裏腹に、桜子の返答は、総二郎にとっては、好都合なモノだったのだ。
「どうぞ…。」と…。
勿論、周り等、気にして居ない様子の此の時の総二郎に、桜子は、呆れて居た事は言うまでも無いのだ。
そして、此の後…。
総二郎に寄って、無理矢理、連れて行かれる事に成った優紀は、後ろを何度も振り返り、桜子に助けを求めるのだが…。
頼みの桜子は、そんな優紀に、「バイ、バイ。」と、手を振って居たのだった。
此の時の優紀は、万事休すだった事は言うまでも無いのだ。
其のまま…。
成す術もなく…。
優紀は、総二郎に、連れて行かれる事に成ったのだった。
だが、優紀が此の場を去った後の桜子は、一切、此の場を離れようとし無かったのだ。
実は、此の後の此の場の展開を見届ける為だったのだ。
実は、総二郎も、此の後のカフェでの展開は、想像に容易いのだ。
だからだったのだろう。
実は、桜子も、察知して居る事は、十分に、総二郎自身、分かり切って居たので、此の場の状況に関しては、桜子に、任せて居たのだった。
総二郎は、思って居たのだった。
“どっちにしても、桜子なら…。
気が付いてんじゃねぇか…。
まあ、桜子に任せて置けば良いだろう。”と…。
そう思って居た総二郎は、安心して、桜子に任せて居たのだった。
総二郎は、更に、思って居たのだった。
“流石、桜子は、類のはとこだぜ‼
桜子の察しが良い所は、正しく、類だな。”と…。
そして、やはりと言うべきか?
総二郎と優紀が出た後の此の場は、ざわつき始めたのだった。
特に、優紀と桜子が座っていた窓際に、一番、近い所に座っていた西門総二郎に、“見初めて欲しい。”と、思う『茶道・華道・書道』の関係者の女性達は、優紀に対して、嫉妬の嵐だったのだ。
「ちょっと、今のは何よ?」
「あれじゃあ…。
まるで、西門様の方が、あの女に、惚れて居るって感じじゃ無かったぁ~?」
「ところで…。
あの女…。
何処の女よ?」
此の問いに、思い出したかの様に、華道の関係者の女性が、話しし始めたのだった。
「あぁ~。
あの女は、花咲流の子弟よ。
確か、あの女は、旧 華族の三条家のご当主に、教わっている筈よ。
あの女は、確か、旧 華族の三条家のご当主の身内の筈よ。
先日の華道会の出展の際も、入選して居たわね。
流派の垣根を排した華道会だったから…。
入選人数も、限られて居たのよ。
だから、名誉な事…何だけど…。」と…。
そんな華道の関係者の女性の話し振りに、書道の関係者の女性が、言って除けるのだった。
「貴女は、何方の味方よ。」と…。
だが、一番、悔しがっていたのは、他でも無い。
総二郎とは同じ、茶道の関係者の女性だったのだ。
流派は違えど…。
総二郎とは、同じ、茶道の関係者なのだ。
優紀に、総二郎を持っていかれる等と…。
プライドが許さないと云わんばかりに、言って除けるのだった。
「あの女を潰して遣りたいわ。」と…。
だが、警笛を鳴らしたのは、他でも無い。
華道の関係者の女性だったのだ。
何故なら…。
旧 華族の三条家のご当主で在る 桜子の祖母の力を知って居るからだったのだ。
「止めて置いた方が、身の為よ。
旧 華族の三条家のご当主の力を侮らない方が良いわよ。
流派毎…。
消されないとも限らないわよ。」と…。
だが、此の時の茶道の関係者の女性にとっては、“そんな事が出来る筈無い。”と、思って居たのだった。
実は、西門流にとっても、桜子の祖母は、無視出来ない相手だったのだ。
其の相手を怒らせたと成ると…。
まだ、歴史の浅い此の茶道の関係者の女性の流派は、直ぐに、一溜まりも無い事に成るだろう事は、此の華道の関係者の女性にとって、予想に容易かったのだ。
だからこそ、言えた言葉だったのだろう。
「悪いけど…。
私は、加担する気は無いから…。
彼女に、拘らない方が身の為よ。」と…。
実は、此の時の桜子は、携帯アプリの『ボイスメモ』から、音声を録音して居たのだった。
そうとは知らない茶道の関係者の此の女性は、此の事を知った時には、降参するしかない状況だったのだ。
そして、此の話しは、桜子の祖母に寄って、直ぐに、『茶道・華道・書道』の『和文化』で在る 『三大伝統芸能』の『三道(さんどう)』関係者に、知れ渡る事と成ったのだった。
